公務員なら住宅ローンは優遇されるのか?実際のところどうなのか調べました

かつてないほど金利が低下していることもあり、デフレが続いている日本においても住宅は増え続けています。
(参考:平成28年度 住宅経済関連データ - 国土交通省

住宅を新たに建設するとなると、誰もが住宅ローンを利用して、現金一括では中々払うことのできない金額を調達することになりますが、このとき「公務員は優遇される」という話を聞いたことが一度や二度あるのではないでしょうか。

あらゆる差別と同様に、職業差別が禁止される中にあって、公務員が優遇されるなんてことがあるわけない。

そう感じる人もいるかもしれません。

一方、公務員として働いている人や、公務員を目指している人にとっては、自分たちが将来住む家の建築に関わることなので、優遇措置があるなら今から知っておきたいと思うことでしょう。

そこで、ここでは「住宅ローンを借りるにあたって公務員は優遇されるのか?」ということを焦点に、公務員と住宅ローンにまつわる情報を総合的に紹介していきます。

ぜひ今後のために参考にしてください。

公務員は住宅ローンを借りる際に有利になるのか?

公務員は住宅ローンを借りる際に有利になるのか?
公務員が住宅ローンを借りる際に優遇されるのかどうか。

それを知るためには、そもそも住宅ローンの審査は何を基準として評価されるのかということを知っておく必要があるでしょう。

なぜならば、住宅ローンに限った話ではありませんが、何らかの審査で特定の人が優遇される場合、その人には優遇されるだけの理由があり、その理由は基本的に審査基準に関係しているものだからです。

たとえば、大学入試において推薦制度という形で成績優秀者が推薦され、一般試験を経ずに入学できるという優遇を受けます。

これは大学の採用基準において、その生徒の普段の成績や推薦試験の結果を踏まえれば合格基準に十分達していると認められるため。

つまり、住宅ローン審査においても、誰かが優遇されるとしたら、それは住宅ローン審査の基準が関わっているということ。

だから、公務員が優遇されるかどうかを知るのであれば、まずは審査基準を知った方が良いという話になるのです。

そもそも住宅ローンの審査は何が基準になるのか

住宅ローン審査基準は、細かいところを見れば、貸出先の金融機関などによって若干の違いはありますが、その根本にある審査のポイントは大きく違いません。

住宅ローン審査ポイントはたいていの場合、以下の点が注視されます。

  • 個人の信用情報
  • 勤務先の情報
  • 勤務先での勤続年数
  • 年収
  • 担保評価

これだけを読んでも何となく納得できるかもしれませんが、それぞれについて説明します。

個人の信用情報

この場合の信用とは、その人が信じられるかどうかという情緒的なものではなく、その人の経済能力や資金調達能力を意味します。

住宅ローンを借りる場合、融資するのは概ね金融機関になることでしょう。

もちろん、親類縁者に資産家がいる場合はその限りではありませんが、それはあくまで特殊ケース。

ほとんどの人は、銀行や信用協同組合(信用組合、信用金庫など)、農業協同組合など金融機関や金融業務を行っている期間からの借入を行うことでしょう。

通常、このような金融機関や金融業務を行っている期間は、自前のお金というよりも預金者から預かっているお金を原資として貸金を行います。

貸し出したお金にかかる金利や利息から収益がしっかり上がれば良いのですが、万が一貸し倒れて、焦げ付きが出てしまうと、最悪の場合預金者がお金を引き出そうとした際に、銀行にお金がなくて引き出せないということになりかねません。

そうなってしまうと、預金者からすれば預けていたお金が突然消えた形になり、盗まれたと感じることでしょう。

銀行などの金融機関や金融業務を行っている機関にとって、このようなことが発生してしまっては、業務を継続することが困難になります。

そのためお金を貸すにあたっては、借りる人の返済能力をしっかりと見極めなければなりません。

そこで用いられるのが、信用調査というわけです。

主にこのとき調べられるのは、これから住宅ローンを借りようとしている人が、過去に何らかのお金を借りて、返済が滞ったり、返済できなかったりしたことがないか。

加えて、その時点で他の場所からお金をどれだけ借りているかどうかを確認します。

昨今は、携帯電話やスマートフォン料金の不払い・未払いやクレジットカードの支払遅延などもくまなく見られることが多く、比較的厳しくなっているのが特徴。

銀行にお金が余っていて、貸出先に困っているといった情報も耳にする昨今ですが、住宅ローンは1千万円以上の巨額の資金を融資することが多いため、貸し手も慎重にならざるを得ないのです。

年収

年収が高いということは、それだけ借金返済できる能力が高いということであり、その分与信が強くなるため、審査基準としては重要なポイントです。

逆に、年収があまりに低い場合、住宅ローンの申込みができないこともあります。

また、住宅ローン商品や銀行など金融機関などによって多少違いは生じますが、返済比率(返済負担率)に関して、年間の返済金を年収の30%~40%程度の枠内に収めることが基準として設けられていることも多いです。

そのため、年収が低い状態で借りられたとしても、借入額を大きくすることができず、思い描いたような戸建ての住宅を建設することができなかったり、希望するマンションを購入できなかったりする可能性があります。

勤務先の情報

年収さえ確認できれば、勤務先の確認までは不要と感じるかもしれません。

しかし、たとえばベンチャー企業やスタートアップといった新興企業で現在600万円近い年収があったとしても、そのような企業は財務基盤が弱いことが多いです。

資金調達でどうにか会社を持続させていることも珍しくなく、住宅ローンを完済するまで会社が存続しているかどうかという視点に立てば危ういと言わざるを得ません。

また、世の中には高級派遣のような臨時的に高収入を得ているケースも実は多いもの。

年収だけで信用を判断すると、このような一時的に返済能力はある一方で、完済できるかどうかに不安がある人に融資してしまう可能性が生じます。

先述したように、住宅ローンの貸し手は、あくまで自社の預金口座などを利用しているお客さんから預かったお金を運用しているに過ぎないため、焦げ付きや貸し倒れを避けなければなりません。

完済できない人に貸してしまうことは、その預かったお金をなくしてしまう恐れのある行為であることから、預金者に対する利益相反に近くなり、決して許されないのです。

もちろん、返済が不可能にときに、残りの返済金額を埋め合わせようと担保として設定した不動産を売却することで、損失を補填することはできますが、不動産査定額によっては損失が発生しますし、瑕疵担保責任を負うなど面倒も発生してしまいます。

そもそも査定にしたところで、一括査定など査定方法は色々とあるものの、ある程度時間もお金も必要になってくるもの。

不動産の売却は費用対効果がそれほど期待できないというのが実情です。

そこで、将来に渡ってしっかりと返済していけるかどうかを見るために、勤務先も審査基準として設けています。

ちなみに、この判断基準は安定性であるため、自営業者や小規模な会社に勤務していればしているほど不利になることは覚えておいてください。

よく世間でサラリーマンなど会社勤めの方がお金を借りやすいといいますが、その根拠はここでの話と同じで、将来に渡って返済能力があるかどうかを見られるため。

その意味でいえば、たとえ会社勤めでも、小規模な会社に勤めていれば不利になるということは覚えておいて損はないかもしれません。

勤務先での勤続年数

審査で見られるのは勤務先だけではなく、そこで何年継続して働いているかも重要。

一つの目安としては勤続3年以上が評価されると言われており、これは3年勤続後の離職率が比較的低くなることを根拠としています。

これについては厚生労働省が調査結果を発表しており、それによれば、中卒の6割、高卒の4割、大卒の3割が入社後3年以内に離職するとのことです。
(参考:卒業後3年以内の離職率 - 厚生労働省

離職してしまうと、収入が途絶えてローン返済が滞ることが明らかなので、なるべく離職する可能性が低い人に貸したいというのが貸し手側の本音。

そのため、ある程度勤続年数が多く、すぐには離職しないような人が審査では有利になります。

この意味で考えると、先ほど例としてあげた高級派遣のような非正規雇用の場合、本人に勤続の意思があったとしても、派遣元である雇用主の意向で離職する可能性があるため、不利になるといえるでしょう。

担保評価

住宅ローンを借りる場合、返済できなくなったときのために、たいていは資金回収用にこれから建てる建築物や土地、購入する物件などに対して担保権や抵当権などを設定します。

担保評価額とは、その担保が設定された担保物権に対して融資額が見合う価値を持っているかどうかを評価するもの。

算出方法は融資先によって若干の違いがありますが、おおよそ金融機関が算定した時価に対して、その金融機関ごとに定めている掛目を掛けた数値となっています。

新築の場合だと、建築価格がそのまま担保評価額になることから、それほど気にしなくて良いのですが、中古物件だと、購入時に建物評価額が売価以下のケースが多いため注意が必要。

住宅ローンは担保票額の範囲内か、多くても120%程度までしか融資されないため、購入に必要となる金額に対して、満額が融資されないことも少なくありません。

昨今、リノベーションや空き家対策などの風潮が強まり、中古物件に対する注目も集まっています。

中には、ハウスクリーニングを頼むだけで見違えるほど良い不動産として使えるものもあり、宝探しの要領で中古物件を探す人もいるほど。

しかし、中古物件の取得にあたっては、とくに住宅ローンを借りる上で、このような注意点があることを覚えておくと良いかもしれません。

一般的な中小企業よりも優遇される

さて、審査基準を踏まえた上で、本題である「公務員は住宅ローンで優遇されるか」という点について結論を出しましょう。

結論をいえば、公務員は住宅ローン融資を受ける際に優遇されます。

先ほど書き並べた審査基準を踏まえれば明らかな通り、公務員は住宅ローン審査において圧倒的ともいえるアドバンテージがあるため、優良顧客とさえいえるでしょう。

とくに勤務先の評価において評価が高く、その評価はテレビCMや新聞などでよく見られるような大企業に匹敵するほどの評価を受けることができます。

その理由は明白で、公務員の場合、一般的な企業と異なりリストラが行われることや倒産して失職することがほとんどないため。

加えて、公務員の多くは、職業能力評価や業績評価といった人事評価制度こそあるものの、よほど怠慢が見られない限り、一定の年齢までは昇給し続けます。

その上、退職時には多額の退職金が支払われるため、それで残りの返済額を一括返済することも可能でしょう。

それもあり、公務員ならば住宅ローンを完済できないということがあまり考えられません。

また、公務員の場合、信用が高いことから、借り換えも比較的しやすくそれによって支払ってもらえる可能性も高い。

こういった点から、融資する側からすれば、安心してお金を貸すことのできる優良顧客として見られるため、公務員は公務員というだけで通常の会社員より高い評価を受けることができるのです。

なお、ここでいう「優遇」というのは、事前審査や本審査といった審査における評価のことであって、優遇金利などが受けられるというものでないことに注意してください。

多少基準から外れていても公務員の評価は高くなる

通常、住宅ローン審査においては、返済期間が長期化することもあり、浪費家や浪費癖のある人、借りたお金の返済にルーズな人のように、お金にだらしない人は不利になります。

この点は、クレジットカードの使用状況や銀行口座の履歴、キャッシングの状況などによってある程度把握することが可能であり、昨今は厳しい目が向けられるでしょう。

また、年収の項で説明した通り、年収があまりに低い場合、住宅ローンを組むことさえままなりません。

しかし、これら一般的に不利になる条件を満たしていても、公務員はある程度優遇されます。

低所得者が多く、貧困や格差などが問題視される日本国内において、公務員は高給かつ安定していることが明らかだからです。

また、具体的には後述しますが、公務員の場合だと最悪退職金でローン残高の大部分を支払うことが可能。

そのため、長期的な視野で審査すれば、多少の問題は問題ではないのです。

一般的に公務員であっても入職後数年間は給料があまり高くありません。

年収にして200万円~300万円程度であることも珍しくなく、世に言われる高給のイメージとはかけ離れた収入状況です。

この年収は、住宅ローン審査において基本的に不利になる年収ですが、公務員であればこれでもある程度優遇されるのが現実。

結局のところ公務員は、安定して返済が可能であり、長期的に見れば間違いなく収入が増えることが明白なので、審査する上で、融資側とすればこれほど安心して貸せる人もいないということになるのです。

公務員が住宅ローンを借りる際に有利になる理由

公務員が住宅ローンを借りる際に有利になる理由
ここまでで、公務員が住宅ローンを借りる上で優遇されることは理解できたことと思います。

ここでは、公務員が住宅ローンを借りる際に有利になる理由として、先述した「昇給」「退職金」に絞って、具体的な根拠をあげていきましょう。

この項については、とくにこれから公務員になることを考えている人にとって役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

給与体系が右肩上がりである点に加えてボーナスがしっかり出る

住宅ローン審査において、公務員が多少低所得でも優遇されるのは、民間企業と異なりある程度定期的に昇給が行われ、返済可能となる余力が生まれやすいことがあげられます。

公務員の給料は、法律や規則によって定められており、その内容は人事院が発表している行政職俸給表にて確認することが可能。
(参考:行政職俸給表 - 人事院

公務員には、職員区分として、級と号が定められており、その数字が上がることで昇給していく仕組みになっています。

これは、定期的な試験や人事評価によって上がっていくのですが、実のところ真面目に仕事を行っていけば、何らかの昇級や昇格は勤続年数とともに行われていくといっても過言ではありません。

なぜならば、公務員は一般的な企業以上に年功序列制度が強く残っており、定年退職などによって誰かが退職すれば、その穴を埋める形で、昇格や昇級などが行われるため。

一人が上にあがれば、その空いた穴を埋める形で、また別の誰かが昇格していくといった具合に、どんどん上に上にとポストがあがっていくわけです。

民間企業であると、ポストの奪い合いという形で、それに負けた人は出向や昇給の停止のような話になってきますが、人員数の入りと出を厳格に管理している公務員では、民間企業ほど厳しい争いは行われにくく、一定の年齢まで昇給はほぼ確約されます。

加えて、公務員の多くには様々な手当が付与されるため、定期的に昇給する基本給に加え、多額の手当が入ることで、収入全体としては高給になることが少なくありません。

また、公務員の賞与(ボーナス)は、民間企業の賞与の支給状況を鑑み、その支給割合が変化します。

2017年時点では、多くの国民が収入の増加を実感できないということが話題になっていましたが、2016年時点で多くの企業が賞与を増やしたこともあり、公務員の賞与は前年と比較し0.1ヶ月分増加。
(参考:給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント - 人事院

このように、世間の実感ではなく、あくまで数字を参考にして支給割合を変えるため、比較的多くの賞与を受け取ることができます。

民間企業では、賞与の割合は簡単に下げることがあったとしても、あげることはそうそうないため、この柔軟性は公務員のメリットといえるでしょう。

ということで、安定的に増加していく給与と地域経済の状況ではなく、大手を中心とした日本経済の状況を反映させた比較的多額の賞与を受け取れることから、公務員は住宅ローン審査において、非常に有利な立場をとれることになります。

退職金が多いため、返済が容易

公務員の退職金は非常に多額です。

これは、2017年に人事院から発表された、「民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解の概要」によって明らかにされています。
(参考:民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解の概要 - 人事院

この調査によれば、民間企業における退職一時金と企業年金(使用者拠出分)を合わせた退職給付額を民間と公務員で比較した場合、78万円ほど公務員が上回るとのこと。

ただし、ここで言われる民間企業は企業規模50人以上の中堅中小企業以上の会社である点に注意してください。

多くの人が感じている通り、現状民間企業においては、退職一時金が支給されない人が多いというのが現実です。

公務員の場合、この退職金に加えて、共済などへの加入が行われていることが多く、平均額とされる2500万円よりも多くの退職金を得ることになります。

この金額は、地方で一軒家を建てた場合で考えると、これだけでも住宅ローンの大部分を返済できる金額であり、公務員が審査で優遇されるというのも頷けるのではないでしょうか。

公務員が住宅ローン審査に通らなくなる場合は?

公務員が住宅ローン審査に通らなくなる場合は?
ここまでは、公務員が住宅ローンを利用する際に有利になる面について説明してきました。

では、その逆で、公務員が住宅ローン審査で落ちる場合があるかと見ていきましょう。

最初に結論をいうと、公務員でも住宅ローン審査で落ちる場合があります。

これは一定の事実です。

どのような場合に落ちることになるかといえば、主に以下の2つのケースがあげられます。

  • 個人の信用情報に問題がある
  • 団体信用生命保険に入れない

ここからは、この2点について具体的に説明しましょう。

公務員でも個人の信用に問題があると審査は厳しくなる

住宅ローン審査に限った話でもありませんが、金融機関などからお金を借りる際に、審査において最も重視されるのは「信用」です。

この信用に大きな問題を抱えている場合、たとえ公務員であっても金融機関は融資に消極的にならざるをえません。

たとえば、クレジットカード決済をしたものの、不払いが続き、個人信用情報にブラック評価がついている場合。

そんなことは余程のことでもない限りつかないと考えるかもしれませんが、昨今は携帯電話やスマートフォンの支払いで未払いが生じてもブラックがつくケースがあるため、意外にもついてしまうことは珍しくありません。

この場合、金融機関としては、いかに公務員であっても長期の返済が必要となる住宅ローンの融資に及び腰になります。

規定に厳格な審査を行っている場合は、これだけで審査は通らないでしょう。

また、消費者金融などを利用し続け、多重債務者になっている場合。

このケースでも、公務員は住宅ローン審査で不利になります。

先述したように、住宅ローン審査において個人の信用を見る場合、重要なのは過去においてローンなどの返済の遅滞がないかどうか、それと現在多くの借金を抱えていないかの2点。

現在多くの借金を抱えている人の場合、最悪ローンを借りた上で破産するような計画破産を行う可能性もゼロではなく、その場合融資先が損害を被ったり、信用に傷がついたりするため、融資には慎重になります。

団体信用生命保険に入れない人は難しい

公務員であっても、団体信用生命保険に入れない場合は、住宅ローン審査の通貨が厳しくなります。

団体信用生命保険とは何か

団体信用生命保険とは、いわゆる団信を指しており、簡単に言えば住宅ローン専用に作られている生命保険のことです。

一般的に住宅ローン債務を負っている債務者が死亡したときに、その配偶者や子供など家族が家や財産を失って路頭に迷うことがなくなるようにするもの。

そのため、住宅ローン債務者の死亡時や高度障害状態になって収入を得ることが極めて難しくなった際に、住宅ローンの残債を保険金で精算できるようにするという内容になっています。

なお、この契約にかかる保険料は、通常住宅ローン金利に含まれる形になっていることがほとんどですので、個別に保険料を支払うということはありません。

団体信用生命保険に入れない場合はどのようなときか

多くの場合、住宅ローンを利用する際には、団体信用生命保険の加入が求められますが、団体信用生命保険にも加入できない場合があります。

これは、住宅ローンの内容によって若干の違いがありますが、主に以下の2点が加入できない条件として決められています。

・15歳未満、70歳以上
・生命保険会社の加入が難しいような持病を持っていないこと

つまり、年齢制限と健康状態です。

たとえば、昨今過労によるうつ病などが問題になっていますが、うつ病になった場合は基本的に保険への加入がほぼ不可能になります。

極めて一部の保険に加入可能なものがありますが、概ね不可能であるため、団体信用生命保険も厳しくなると考えた方が良いでしょう。

この他、健康状態に関してはそれぞれの契約において微細に定められているため、注意が必要です。

公務員であっても健康状態を損ねると住宅ローン審査では不利

公務員で、団体信用生命保険に加入できない場合というのは、早い話が健康状態に問題がある場合。

そのため、たとえ公務員であっても将来的に住宅ローンを利用する予定があるのであれば、公務員という地位に安心せず、常日頃から健康状態を良好に保つことを意識した方がよいでしょう。

健康状態を損ねると、せっかくの優位性も水の泡になってしまいます。

公務員こそ活用したい住宅ローン「フラット35」

公務員こそ活用したい住宅ローン「フラット35」
住宅ローンは数多く存在しますが、公務員が実際に利用するとすれば、一体どの住宅ローンがおすすめでしょうか。

答えは「フラット35」です。

フラット35は住宅ローンとして広く普及しており、多くの人に勧められるものでもありますが、その特性上、やはり公務員にとっては非常に利用しやすい住宅ローン制度といえるでしょう。

フラット35とは何か?

フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローン。

最長35年の借入期間で、その期間中金利が固定されるのが特徴で、変動金利と比較して支払い金額の波を抑えることができます。

また、省エネルギー性や耐震性といった特定の条件を満たした質の高い住宅の取得にあたっては、一定期間について金利を下げるフラット35Sというプランもあり、非常に使いやすくなっている住宅ローンといえるでしょう。

借入を受けるにあたり、保証人や保証料が不要で、返済期間中に繰り上げ返済を行う場合に繰上返済手数料を必要としないメリットもあります。

フラット35には「買取型」と「保証型」がある

フラット35には住宅金融支援機構が、住宅ローンの権利を買い取った上で、それを担保に証券化することで長期的な資金調達を行う買取型、住宅金融支援機構が保証会社の役割を担い、金融機関に販売や資金調達を任せる保証型があります。

これはあくまで金融機関や住宅金融支援機構といった融資する側の立場で見たときの違いです。

実際に借りる立場から見たとき、買取型と保証型の違いとしては、たとえば融資金額の上限が、買取型では建設費や購入価格の100%に対して、保証型では90%に留まるといった違いがあります。

この他、買取型では第一抵当権者が住宅金融支援機構になり、保証型では金融機関になるという違いや団体信用生命保険の加入義務の違いが発生。

買取型では、団体信用生命保険への加入が任意になります。

そのため、これらの違いを比べて、自分にとって最もあったプランを選択する必要があるといえるでしょう。

フラット35のメリット

フラット35のメリットは、何と言っても固定金利です。

とくに昨今金利が低下している状況があるため、現状の低金利で最長35年間の金利を固定できるのは非常に好ましいことといえるでしょう。

固定金利であることのメリットは、支払い総額を抑えられることだけに限りません。

毎月の支払金額を元に、将来的な支払い計画を立てやすくなるため、とくに公務員のような安定した職業で、恒常的に所得が増えていく人の場合は、人生設計を容易に立てられるという大きなメリットがあります。

元利均等返済などを選択すれば、毎月の支払額が完全に固定化できるため、より一層試算するのは簡単になるでしょう。

今後、日本の金利がどのように変化するかは不透明ですが、昨今のデフレ経済の改善が大きく取りざたされる状況を背景に、ゼロ金利政策からいくらか金利を浮上させる可能性はないといえません。

それを考えたとき、低金利で固定することのできるフラット35は非常にメリットが大きい住宅ローンです。

フラット35のデメリット

フラット35にもデメリットはあります。

それは、一般的な住宅ローンと比較した場合、いくらか金利が高く設定されていることです。

低金利がデフォルトになっている昨今の世情を反映して、異常なほど高いということはありませんが、たとえば自己資金が少なければ少なくなるほど金利が上がることもあり、一般的な変動金利の住宅ローンの方が支払総額を抑えられるということもあります。

また、フラット35には審査を受けるにあたり、物件に要件が定められており、その要件を満たす物件でなければ審査を通すことができません。

審査要件としては、主に以下の3点。

  • 床面積
  • 技術基準
  • 費用

これらが指定された範囲の基準を満たしている必要があります。

通常、一般的な住宅であれば、これを満たさないということはありませんが、場合によっては受けられない可能性があるということは覚えておいた方が良いかもしれません。

フラット35を利用するときに考えておきたいこと

「住宅ローンといえばフラット35」というほどに多くの人に浸透しているフラット35ですが、あらゆる住宅ローンと同様にメリットがある反面デメリットもあります。

そのため、利用を考える際には、しっかりとした比較をする必要があるといえるでしょう。

単純に考えるのであれば、将来金利が上がりそうならばフラット35。

金利が今と変わらないままか今よりも下がりそうならば、一般的な住宅ローン。

このように考えることも可能です。

一般的な会社員であると、これに加えて保証人の工面や将来的な自身の収入などあらゆる要素を考える必要がありますが、公務員の場合は基本的に将来的な収入はある程度予測可能であるため、いくぶん単純に考えても問題ありません。

ただし、長期間にわたってついてまわる支払いになることから、慎重に判断することが必要といえるでしょう。

共済組合の組合員になっていることがほとんどである公務員は、退職とともに莫大なお金を手に入れられることも珍しくありません。

だからこそ、住宅ローンという巨額の融資であっても簡単に考えてしまう傾向が強い。

しかし、住宅を購入するということは、固定資産税など維持管理にも費用が発生するということ。

また、人生においては不意の病気などによってお金が必要になることは多いですし、教育費などもばかになりません。

よって、返済計画をしっかりと立てながらローンについて考えるのは重要です。

加えて、日々の自分の支出を把握するなど、家計の管理にも注意を配っておきたいもの。

今は、ネット銀行と連携して、自動的に家計簿を作ってくれるMFクラウドなどの家計簿アプリなどもあるので、そういったものを活用して、家計の支出について敏感になっておくと良いでしょう。

家計さえしっかりと管理できていれば、案外長期の返済でも何とかできるものです。

住宅ローンは人生最大の借金!公務員であってもしっかりと考えて利用しよう

住宅ローンは人生最大の借金!公務員であってもしっかりと考えて利用しよう
失業の恐れが極めて少なく、その上将来的な高収入が見込める公務員は、意外に大きな支出について深く考えずに決めてしまいがちです。

しかし、先述したように住宅ローンは数十年単位でついてまわる大きな出費です。

重ねていいますが、だからこそいかに公務員であっても、将来的な自身の収入状況や家族にかかる支出状況などを考え、しっかりと計算した上で、自分に合った住宅ローンを選択する必要があるといえるでしょう。

住宅ローン審査自体は、比較的優遇されることから、いかに自分が得する住宅ローンを選べるかどうかが大切です。