自作PCというと「なんだか難しそう…」と思っていませんか?
実はPCの組み立てはプラモデルより簡単です。ただし、パーツ選びに知識が必要なことが敷居を高くしてしまっているんです。
ただ動けばいいとか、多少割高でもいいといったPCではなく、高性能・高耐久で低価格なお得なゲーミングPCを組むには規格や性能に関する知識が必須になります。
そこで今回は、自作歴15年以上の筆者が、2019年の最新パーツから安くて高性能なものをチョイスしてお買い得なPCを提案しようという記事にしてみました。
「この記事1本で本当に初心者が高性能PCを安く手に入れられる」ことを目指して、パーツ選びから組み立て、テストまでを網羅しています。
面倒な方はよくわからない専門用語の部分は飛ばして、パーツ名や組み立て方だけを拾い読みしても大丈夫ですのでぜひお付き合いください。
もくじ
PS4proより高画質で動く自作パソコンを作ろう
今回目指す低価格・高性能なPCの目安すはズバリ、「PS4proより大幅に高性能で税込10万円以下」です。
さらに初心者向けを考慮して「いつ買えるかわからないセール品は除外」「アマゾンなどの大手販売店で購入できる」も条件につけ加えました。
ゲームだけでなく、動画制作やネットサーフィンもサクサクできて性能も大幅に高いとなれば、コスパでもPS4にも負けないPCになるはずです!
自作PCのメリット
実際のパーツ選びの前に自作PCが本当に自分に向いているのかを確認しておきましょう。
自作PCの最大のメリットは、「パーツを選ぶ範囲が広いこと」です。安くて評判のいいメーカーのパーツを組み合わせられるので、コストを抑えつつ高性能なPCが作れます。
BTOやゲーミングブランドPCも悪くありませんが、より安くて高品質なPCを作りやすいのは自作の大きなメリットです。
自作PCのデメリット
最大のデメリットはやはり、「知識が必要になる」ということです。
パーツの規格が合わないとつなげることすらできませんし、トラブルが起きたらある程度どこがおかしいのかを特定するために、ネットで調べる必要はあります。
パーツの選び方:お買い得なミドルモデルを狙え
格安で高性能なPCを組むなら、お買い得な「ミドルモデル」が狙い目です。
ミドルモデルはよく売れるため、メーカーや販売店が一個あたりの利益が少ない薄利多売で売りに出すことが多いからです。
また、性能面でもミドルモデルの中でも少し上の方を選ぶことで、十分なゲーミング性能を確保することができます。
①CPUはi5-9400Fがオススメ
CPUはゲーム性能に安定する「intelのi5-9400F」が一押しです!21,878円(税込) ※2019年4月時点での価格
6コア6スレッドでターボブースト時(CPUの負荷が高くなりすぎていない時)には4.1GHzの高クロックで動作する高性能CPUです。
現在発売されているゲームはもちろん、数年以内に発売されるゲームでこのCPUで性能不足になる心配はまずないと言えるレベルです。
一般的に搭載されている内蔵グラフィックを削除することで、高性能ながら低価格化を実現しています。
内蔵グラフィックはグラフィックボードを搭載しているゲーミングPCには不要な機能なので、無駄がなくお得なCPUです。
製品仕様 |
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型番:BX80684I59400F |
TDP(W):65W |
プロセッサ周波数(最大):2.9GHz(4.1 GHz) |
メモリタイプ:DDR4 SDRAM |
最大メモリ容量:64GB |
内蔵グラフィック機能:なし |
実勢価格:¥21,878 |
intel CPUをオススメするワケ
AMDのRYZENシリーズも価格の割にコア数が多く魅力的ですが
1台目のゲーミングPCにはシェアが高く、シングル性能(コア1つ当たりの性能)が高いintelがオススメです。
- intel CPUの長所
- ・PU市場でのシェアが高いため各ゲーム会社がintelを基準に開発するので、性能を発揮しやすくトラブルが少ない
- ・ゲームはコア数の多さよりもシングル性能の高さが重要な場合が多いため、intel CPUの方がよいスコアが出やすい
②マザーボードはZ390ゲーミングモデルがオススメ
マザーボードは信頼の老舗ゲーミングメーカーMSIからお買い得ミドルモデルの「MSI Z390-A PRO ATX マザーボード」をチョイスしました。11,626円(税込)。 ※2019年4月時点での価格
MSIはコアなゲーミングユーザーをメインターゲットにしているメーカーで、最新3Dゲームのようなハードな使用環境にも十分耐えられるように設計・製造を行っています。
さらにZ390-A PROには、CPUの各コアへの供給電流を高精度にする「CORE BOOST機能」や、HDDをSSD並みの速度にスピードアップさせる「OPTANE機能」、遅延の少ないインテル製LANなどの「高級機向け機能」を低価格ながらしっかり搭載しています。
もちろんM.2 SATAスロットやUSB 3.1 GEN2など、最新マザーボードには標準装備の機能も搭載されています。ハイエンドゲーミングにも対応可能な性能ながら、低価格な鉄板マザーボードです。
製品仕様 |
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型番:MB4617 |
チップセット/ソケット:Intel Z390 (LGA1151) / Intel 300 Series |
対応CPU:Intel 第9世代Coreプロセッサ「Coffee Lake-Refresh」 / Core i9/i7/i5 |
フォームファクター:ATX |
対応メモリ:DDR4 (2666/2400/2133) / スロット数(4本)最大容量(64GB) |
拡張スロット:SATA3.0(6.0Gb/s) x 6 / M.2(NGFF) x 21 |
ストレージ:PCIe3.0/2.0(x16) x 2 / PCIe3.0/2.0(x1) x 4 /PCIe(M.2) x 1 |
実勢価格:¥11,626 |
③グラフィックボードはRX590がオススメ
グラフィックボードはAMDのRX590をオススメします。選んだ製品は「Phantom gaming モデル PG X Radeon RX590 8G OC」25,208円(税込)。 ※2019年4月時点での価格
AMDの新型ミドルモデルでフルHD解像度ならほとんどすべての最新ゲームを60fps以上で動かすだけの演算性能を持っています。
AMDのグラフィックボードは手持ちの動画を60fpsに補完し滑らかに再生してくれるFluid Motion機能や、遅延を最小限にしたままゲーム画面を滑らかに補正してくれるFreeSync機能など、利用価値の高いオプション機能が充実している点もコスパの底上げにつながっています。
ボード部分の組み立てを担当しているASRock社も老舗のマザーボードメーカーで、品質・技術ともに定評がありオススメの商品です。
- NVIDIAのGeForceではなく、AMDをオススメするワケ
オススメする理由はズバリコスパです。もともとAMDのグラフィックボードはライバルのNVIDIAに比べて性能の割に価格が安いため、自作上級者の間では人気でした。
ところが近年の仮想通貨ブームのせいでAMDのグラフィックボードが大幅に値上がりし、多くのゲームユーザーがNVIDIAに流れてしまっていたのです。
今では仮想通貨のブーム終焉により、ふたたびAMDのコスパの良さが発揮されるようになっています。
また、かつてAMDはNVIDIAに比べてドライバ(グラフィックボードの制御ソフト)の出来が悪く、トラブルが多いため上級者向けと言われていました。
しかし、RXシリーズ以降はAMDもドライバの開発に力を入れるようになり、トラブルや性能の低下はほとんどなく、まれにあってもすぐにオンラインアップデートで修正されるように改善されました。
私自身もRXシリーズのグラフィックボードで組んだPCを1台所有していますが、1年以上様々なゲームをプレイして特にトラブルに合ったことはありません。
NVIDIAがいいという方はGTX1660tiがオススメ
「一台目はやっぱりシェアの高いNVIDIAにしておきたい」という方もいると思いますので、「GTX1660ti」も紹介しておきます。
「GIGABYTE NVIDIA GeForce GTX 1660Ti 6GB WINDFORCE 2X」 35,512円(税込) ※2019年4月時点での価格
予算を1万円ほどオーバーしてしまいますが、業界最大手のNVIDIAの最新モデルでRX590より高性能で消費電力も少なくなっています。
ボード部分の組み立て担当であるGIGABYTEはグラフィックボードではおなじみの有名メーカーで、冷却性能の高いボードを作ることに定評があります。
「少し高くなっても定番品でできるだけ長く使えるものがほしい」という方にはこちらがオススメです。
製品仕様 |
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型番:GV-N166TOC-6GD |
グラフィックメモリ容量:GDDR6 6GB(192bitメモリバス) |
インターフェースHDMI *1/Display Port *3 |
対応DirectX:DirectX12 |
エンジンクロック:1800 MHz |
メモリクロック:12,000MHz |
メモリバス:192-bit |
電源コネクタス:1 x 8 ピン |
寸法:長さ 224mm/幅121mm/高さ 40mm |
実勢価格:¥35,512 |
- グラフィックボードはいくつかのメーカーが協力して作っている
グラフィックボードは主にGPU(心臓部となるチップ)、グラフィックメモリ(GPU専用のメモリ)、その他のパーツの3つの部分をそれぞれ別のメーカーが担当しています。
有名なAMDやNVIDIAが担当しているのはGPU部分で、グラフィックメモリはサムスンやハイニクスといったメモリメーカー、そしてその他のパーツと合わせて最後に完成品に組み上げるのが、今回紹介したASRock社やGIGABYTE社になります。
「AMDやNVIDIAといったGPUメーカーとチップの種類によって基本性能が。ASRockやGIGABYTEといった組み立てメーカーによってグラフィックボード全体の耐久性や静音性が決まる。」と覚えておけばOKです。
④メモリは高電圧の16GB(8GB×2)がオススメ
メモリは余裕をもって16GB搭載しておきましょう。16GBあれば最新ゲームでもメモリ不足になる心配はありません。
オススメ商品は「CORSAIR VENGEANCE LPX 16GB(8GB×2)」。価格は10,968円(税込)です。 ※2019年4月時点での価格
CORSAIR社もコアゲーマーの間で高評価のゲーマー向けメーカーとして品質に定評があります。
さらに2666MHzの高電圧対応モデルなので一般的なメモリよりも転送速度が速く、8GB×2でメモリをさらに高速化するデュアルチャンネルにも対応しています。
このスペックならゲーム画面のなめらかさやOSの操作にもメモリの転送速度が足を引っ張ることがありません。
製品仕様 |
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型番:CMK16GX4M2A2666C16 |
規格:PC4-21300 (DDR4-2666MHz) |
容量:16GB (8GB×2枚) |
転送クロック:2666MHz |
デュアルチャンネル:対応 |
XMP:XMP2.0対応 |
製品保証:永久保証 |
ストレージ:PCIe3.0/2.0(x16) x 2 / PCIe3.0/2.0(x1) x 4 /PCIe(M.2) x 1 |
実勢価格:¥10,968 |
⑤SSDはNVMe接続のM.2SSDがオススメ
ストレージには最新高速規格であるNVMe接続のM.2SSDである「intel SSD 760p(256GB)」をチョイスしています。6,976円(税込) ※2019年4月時点での価格
読み込み速度:3212MB/秒、書き込み速度:1315MB/秒の超高速ストレージで、従来の2.5インチSSDと比べて、読み込み速度:6倍/書き込み速度:3倍という速さです。
PS4proに標準搭載のHDDと比べると読み込み速度:30倍/書き込み速度:13倍という、最新ゲーミングPCだからこそ可能な快適装備です。
M.2SSDにOS(ウィンドウズ)をインストールすることで起動や各種基本操作が恐ろしく速くなり、ゲームをインストールすれば長いローディングにイライラすることもなくなるでしょう。
少し前まではハイエンドユーザー向けの高額商品でしたが、2019年に入ってからは大幅に値下がりしたため、超高速環境を体験するチャンスです。
写真や映像データも大量に保存したい方は後ほど容量当たりの値段が安いSATA接続のSSDやHDDを追加するのがオススメ。OSやゲームと違いそれほど高速である必要のないデータなのでそちらの方がお得です。
- NVMe接続とは?
PCI-Expressというグラフィックボードにも使われる超高速接続を利用した新規格の接続方法です。
M2.SSDにもこのNVMe接続を搭載した超高速M2.SSDと、従来のHDDやSSDに使われている低速なSATA接続のM2.SSDがあるため購入の際には注意してください。
製品仕様 |
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型番:SSDPEKKW256G8XT |
ディスク容量:256GB |
フォームファクター:M.2 22 x 80mm |
インターフェイス:PCIe NVMe 3.1 x4 |
リソグラフィーの種類:3D2 TLC |
シーケンシャルリード:3210 MB/s |
シーケンシャルライト:1315 MB/s |
保証期間:5年 |
実勢価格:¥6,976 |
⑥電源ユニットは日本製コンデンサ搭載の余裕のあるモデルがオススメ
電源はPCの土台になるパーツなので余裕のある容量と信頼性の高いものを選びましょう。今回は「玄人志向 KRPW-BKシリーズ 80PLUS Bronze 650W」をチョイスしました。5,765円(税込) ※2019年4月時点での価格
ややマニア向けのメーカーながら、1次側2次側の両方に日本メーカー製耐熱105℃コンデンサーを採用するなど、安定性と耐久力には定評のある製品です。
80PLUS Bronze認証(50%負荷時に80%以上の高効率で電力の変換ができる証明)も受けているので、電気代のロスや発熱の心配も少なくなっています。
低価格ながらプラグインケーブル(使わない線は取り外せるのでケース内がゴチャゴチャしない)を採用している点も高評価となっています。
消費電力が多くデリケートなゲーミングPCを支えるだけの品質をもった電源です。
製品仕様 |
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型番:KRPW-BK650W/85+ |
定格出力:650W(+12V, 54.1A) |
直付けケーブル:ATX 20+4ピン(60cm) 、CPU4+4ピン(60cm) |
PCI-Eケーブル(プラグイン):6+2ピン 2コネクタ(55+15cm) |
SATAケーブル(プラグイン):3コネクタ(50+15+15cm) 2本 |
PATA(HDD, FDD)ケーブル(プラグイン):3HDD+1FDD(50+15+15+15cm) |
保証期間:3年 |
実勢価格:¥5,765 |
⑦PCケースは冷却性能と拡張性のよいモデルがオススメ
PCケースは冷却性をしっかりと確保できるものを選びましょう。
今回は自作界隈ではコスパモンスターでおなじみの「Thermaltake Versa H26(ブラックカラー)」を選んでみました。4,290円(税込) ※2019年4月時点での価格
4,000円前半という安さで120mmファンを2基標準搭載、最大7基のケースファンの取り付けに対応、アクリルサイドパネル、ダストフィルターを装備とケースに必要な機能は網羅しています。
裏配線のスペースもしっかり用意されているため、ケース内が配線でゴチャゴチャする心配もありません。
ケースは好みによる部分が大きいと思うので、「どうしてもあのケースのデザインがいい!」と思う場合は"ATX規格マザーボード"に対応しているものであれば他の商品でも問題はないので、好きなものを選んでみるのもおススメです。
製品仕様 |
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型番:CS7070 CA-1J5-00M1WN-01 |
対応マザーボード:ATX、microATX、Mini-ITX |
ケースファン:標準2基搭載、最大7基搭載可能 |
水冷ラジエータ:最大360mmサイズまで取り付け可能 |
拡張カード:最大310mmまで搭載可能 |
保証期間:1年 |
実勢価格:¥5,765 |
OSはDSP版Windows 10 Home 64bitがオススメ
最後に忘れてはいけないのがOSです。今回は、「Windows 10 Home 64bit 日本語 DSP版」をチョイスしています。12,980円(税込) ※2019年4月時点での価格
自作PCの場合、割安なDSP版がお得です。HomeかProかの問題は、ゲーミング目的の個人使用ならばHomeで問題ありません。
すでに持っているOSが使える、知り合いに頼んで安く手に入る、といった方は節約可能な項目なので、心当たりのある人は購入前に一度確認してみてください。
ちなみに、このOSはDVD版ですが必要なのは付属するシリアルキー(購入証明番号)だけで、DVDドライブがなくてもマイクロソフトのホームページからOSデータをダウンロードできます。
製品仕様 |
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型番:Windows 10 Home 64bit Jpn DSP DVD |
実勢価格:¥12,980 |
なかなかの性能のゲーミングPC。合計のお値段は?
最新型のCore-i5にミドルクラスのグラフィックボード、高速接続M.2SSDとなかなかのスペックのゲーミングPCになりました!
自作ゲーマーに「このPCで最新ゲームのXXは遊べますか?」と聞けば、まず間違いなく「遊べます」と返ってくるでしょう。
では、本当に税込で10万円でこのPCが買えるのか!?合計価格を確認してみましょう。
項目 | 価格(税込) |
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CPU | 21,878円(税込) |
マザーボード | 11,626円(税込) |
グラフィックボード | 25,208円(税込) |
メモリ | 10,968円 |
SSD | 6,976円(税込) |
電源ユニット | 5,765円(税込) |
PCケース | 4,290円(税込) |
OS | 12,980円(税込) |
合計 | 99,691円(税込) |
見事10万円以内に収まりました!
ちなみにグラフィックボードをGTX1660tiにした場合は
合計:109,995円となります。
「本記事で紹介されてる商品が値上がりしてる!」「在庫がないよ!」という時は?
PCパーツは流通が激しいので、もしかしたら今回紹介した商品が値上がったり、在庫切れになっていることもあるかもしれません。
ですが、心配はいりません。今回ご紹介したパーツたちは「amazonやソフマップといった大手販売店で通常価格で購入できること」そして、「パーツメーカーは出来るだけ評判のいい大手メーカー製であること」を前提にチョイスしています。
もし値上がりや在庫切れがあっても、お店の人に相談すれば同じような価格で同等の性能のものを提案してもらえるはずです。
また、ネットショップだけで購入する予定の人でも、今回紹介したパーツと同じ規格のものから安い商品を探してもらえば、似たような価格で購入できるでしょう。
番外編:ゲーミングデバイスはゆっくり揃えた方が後悔しない
高性能なゲーミングPCを手に入れたら、今度は高性能なモニターやFPS用マウスのようなゲーミングデバイスが気になってくると思います。
ですが、自分に合った周辺機器を見極めるのは、実際にPCでいくつかのゲームを遊んで「これからどのジャンルのゲームをよく遊ぶことになりそうか?」「自分の手にはどういったゲーミングデバイスが合うのか?」を判断してからでも遅くはありません。
今のPCはテレビにつなげることもできますし、ゲーム機のコントローラーを使うこともできます。
まずは高画質で滑らかに動くゲーミングPCの世界を堪能してから、必要だと思うゲーミングデバイスをじっくりと探してみてください。
9STEPでプラモデルより簡単に組み立てられます!
PCのパーツが揃ったら、いよいよ組み立て作業です。
といっても、組み立て自体はプラモデルより単純です。
組み立てる部品が多いので一見複雑そうに思えますが、パーツについている説明書には図解入りでわかりやすく説明されているのでそれに従えば誰でも組み立てることができます。
初心者が陥りやすい初歩的なミスについては本記事でもフォローしているので、チェックに役立ててください。
ステップ0:組み立て前の準備編
組み立て前に必要な道具とスペースを確保しておきましょう。
必要な道具は以下の3つだけ。すべて100均のもので大丈夫です。
- ・プラスドライバー
- ・結束バンド
- ・ニッパー(ハサミでも一応代用可能)
組み立てスペースも掃除機をかけた床かゴチャゴチャしていないテーブルがあれば大丈夫です。
ステップ1:CPUのとりつけ
まずはマザーボードにCPUを取り付けます。
マザーボードの基盤は裏側にはんだ付けの出っ張りなどが飛び出ているので、マザーボードの外箱の上や重ねた新聞紙の上など固すぎないものの上で作業してあげてください。
CPUソケットに貼ってある取り付け方のシールや説明書に従って、
- ①ロックを外す
- ②CPUの向きを合わせてソケットに取り付ける
- ③再びロックする
の3ステップで取付完了です。
- CPUの差し込み方と向きに注意
CPUの差込側は細いピンが大量に飛び出た構造になっています。このピンは横の力が加わると簡単に折れてしまうので、真上からゆっくり差し込んであげてください。
その際にはCPUの向きにも注意してください。
ステップ2:メモリのとりつけ
次はそのままマザーボードにメモリも取り付けます。
メモリスロットは4つありますが、使うのは2つです。デュアルチャネルを有効にするために説明書を確認して指定のスロットに差し込むようにしてください。
1番と3番のスロットか2番と4番のスロットの組み合わせで差し込めば、デュアルチャネルが有効になります。
- ①メモリ差込スロットの脇にあるツメを押し込んでロックを解除します
- ②メモリを差し込んで真上から強めに押し込みます。スロット脇のツメが「カチッ」と上に上がればしっかりロックされた証拠なのでOKです。
- ③説明書に指定されている場所に2枚とも差し込めば終了です。
- メモリの差し込み方と向きに注意
メモリの端子部分のへこみがちゃんとスロットのでっぱりとあっているか、向きを確認するのを忘れないようにしましょう。
向きが合わないままいくら押し込んでも入らないので、無理に入れないように注意してください。
ステップ3:CPUクーラーの取り付け
CPUクーラーを、取付済みのCPUの上に設置します。
今回はCPUに標準でついてくるリテールクーラーを使用します。
標準クーラーだけあって説明書に図解でしっかりと取付手順が記載されているので、初めてでも迷わないはずです。
CPUグリスもリテールクーラーの場合、最初から塗られているので特に気にする必要はありません。
- ①取り付ける前にCPUクーラーのプッシュピンをマザーボードの穴の位置と合わせます。先端部分が穴の位置に合うように4隅とも調整してください。
- ②調整が終わったら4隅のプッシュピンを垂直に押し込んでマザーボードに固定します。この際対角線上の順番で押し込んでいくとよりベターです。
あとはクーラーの電源をマザーボードの指定コネクタにつなぐだけで終了となります。CPUやメモリとちがってそれほどデリケートな部分でもないので説明書さえ確認すれば大丈夫です。
- 汚れ防止シール剥がし忘れに注意
たまにクーラーのCPU接地面の汚れ防止シールをはがし忘れたまま取り付ける人がいるので注意。シールが付いたままだとCPUが冷却できません。
ステップ4:マザーボードをPCケースに固定
取り付け前にまず、PCケースに付属のスペーサーというネジを用意します。
スペーサーをマザーボード取り付け部分(アクリルパネルの逆側のサイド部分)のネジ穴に取り付けていきます。
スペーサーがないとマザーボードがしっかりケースに固定されないので忘れないようにしましょう。
スペーサーをとりつけた、マザーボードをケースにネジで固定して完了です。
ステップ5:電源ユニットをPCケースに収納
- ①まず、電源ユニットにグラフィックボード用の補助電源である8pinケーブル(8pin PCIE)を追加で差し込んでください。
8pinケーブルは電源に付属しているので、説明書を見ればどれが8pinケーブルでどこに差せばいいかも確認できます。 - ②電源ユニットをケースの電源用スペースに入れ、ネジで固定します。この時、電源のファンがちゃんとケースの向きとあっているかを確認するのを忘れずに。
- ③電源のケーブル類をマザーボードに接続します。一見たくさんあって複雑そうに見えますが、マザーボードのどこに差せばいいかは説明書に図解で記載されているので大丈夫です。
基本的には、
- ・CPU用8pin + 4pin
- ・マザーボード用24pin ATX
- ・USB 3.0コネクタ
- ・フロントパネルコネクタ
- ・フロントオーディオ入出力(HD AUDIO)
の5つが接続されていれば大丈夫です。説明書を見ながら、つなげ忘れがないか確認してください。
- ④最後にケースについたファンの電源をマザーボードの方に取り付けます。
マザーボードにファン用の接続端子がついているので、説明書の図で場所を確認して差し込めばOKです。
ステップ6:SSDのとりつけ
マザーボードにM.2SSD用のスロットがあるので、
- ①スロットに付いているM.2固定ねじを取り外します。
- ②メモリのようにでっぱりの向きに注意して斜めに差し込んでください。
- ③M.2SSDを倒して、M.2固定ねじをマザーボードにねじ留めすれば完了です。
注意するのはSSDの差し込む向きくらいです。
ステップ7:グラフィックボードを搭載
いよいよあと一歩です。
- ①まず、ケースの背面にあるスロットのうち上の2枚を取り外します。(グラフィックボードの端子がケースの外に飛び出せるように、ガードを取り外す)
- ②マザーボードのPCI Express x16レーンのツメを押してロックを解除してください。
- ③ツメが上に上がってロックされるまでしっかり挿し込みます。最後にグラフィックボードをスロット部分とネジで固定し、電源ユニットに取り付けておいた8pin コネクタを接続して完了です。
ステップ8:配線をまとめてスッキリさせる
仕上げにケース内の配線を結束バンドでまとめてスッキリさせておきましょう。見た目が良くなるだけでなく、ケース内の空気の通りがよくなるので冷却性能向上の効果もあります。
まとめ方に特にきまりはないので、せっかくつないだ配線が抜けてしまわない程度に好みでまとめてしまえばOKです。
ステップ9:Windowsとドライバのインストール
ステップ8までで組み立ては完了!最後にOSと必須ドライバをインストールしましょう。
今回紹介したWindowsはDVD版なので、ポータブルDVDドライブをお持ちの方はDVDから、ない方は他のPCでマイクロソフトのHPからUSBメモリにOSデータをダウンロードしてインストールしてください。
組み立てたPCにOSディスクの入ったポータブルDVDを接続するか、OSデータの入ったUSBメモリを差し込んで起動するだけで勝手にWindowsの初期設定画面が表示されます。
あとは説明に従って購入したWindowsに付属のライセンスキーを入力して、指示に従うだけでOSのインストールは完了します。
次にマザーボードに付属のDVDか、マザーボードメーカーのHPからダウンロードしたドライバの入ったUSBメモリを差し込んで各種ドライバをインストールすれば初期設定は終了です。
ちなみにドライバはWindowsの標準ドライバのみの状態でもインターネットにつながるなら、後からオンラインでダウンロードしてインストールしても大丈夫です。
本当に出来た?温度と性能の検証
これでPCの組み立てと初期設定は終了です!
一見やることが多く面倒に見えますが、説明書の図解に従って順番につなげていくだけで案外簡単に出来るものだと実感していただけましたでしょうか?
では、最後に組みあがったPCが本当に大丈夫なのかチェックして本当の「マイゲーミングPC」の完成です。
ベンチマークで、PCの性能と温度をチェック
ベンチマークは実際にゲーム画面をPCにリアルタイムで描写させて、性能と負荷を測定するためのソフトです。
ベンチマーク時にはPCはほぼフルパワーで動作するので、この時に「CPUやグラフィックボード異常な高温になっていないか?」「ファンは正常に回転しているか?」を確認すれば
PCの性能とともに、不具合がないかもすぐに確認することができます。
FF14ベンチマークを利用して性能の検証
今回はベンチマークソフトの定番である「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を紹介します。
中~高設定に固定されているPS4版FF14とは違い、低~最高設定まで細かく条件を設定できます。
ちなみに今回紹介したPCなら最高設定画質(PS4版より上の画質)でスコア10,000以上(安定して60fps以上の滑らかさで動く)くらいの性能があります。
HWMonitorで各パーツの温度をチェック
FF14ベンチマーク中にHWMoniterというフリーソフトを起動しておくことで、各パーツの温度をチェックすることができます。
有料のpro版ではなく、無料版で十分なのでお金はかかりません。HP左側のダウンロードの項目から「SETUP・ENGLISH 32and64-bit version」をダウンロードして起動すればOKです。
目安としてはCPUは70度以下、グラフィックボード(GPU)は80度以下に保たれているなら寿命の低下や故障の心配はありません。
もしそれよりも大幅に高い温度になっている場合は、ちゃんと各ファンが回転してるか?など配線の接続忘れ等がないかを確認してください。
- 省電力設定になっていませんか?
もし思ったほどのスコアが出ない場合、Windowsの電源管理設定で省電力設定になっている可能性があります。
ゲーミングPCの場合、電力を制限すると大幅にスペックが落ちるので、Windowsの電源管理は「パフォーマンス」に設定するようにしてください。
異常発生!?自作PCパーツにも保証があるから大丈夫
もし、「しっかり確認したのに温度がおかしい…」「半年で画面表示がおかしくなった!」といったトラブルにあった場合でも保証があるので大丈夫です。
ただし、自作PCの場合はパーツごとの保証になるので、ある程度どのパーツに異常があるのか調査をして、パーツ単位で交換・修理してもらう必要がある点には注意してください。
しかし、専門家ではないユーザー側でそこまで正確に特定する必要はなく、「ゲームの時だけGPUが以上に発熱するからグラフィックボードがおかしいな」「急にブルースクリーンが出るのは電源が原因らしい」といった大まかな判断で結構です。
販売店に相談して問題のありそうなパーツをメーカーに送れば、メーカー側でテストして対応してくれます。
PS4proより高性能なゲーミングPCの完成!お疲れさまでした!
以上で税込10万円以下のPS4proより高性能なゲーミングPCの完成です!
初めての自作だと変に緊張したり、心配したりで疲れてしまったかもしれませんが、1台のゲーミングPCを自分で組み立ててしまえばあなたも初心者脱出。
自分で組み立てた高性能PCで遊んでいると、色々なデバイスや新型パーツが気になってきて自然と知識が身についていくものです。
数年後に新しいマシンが欲しくなった時には自分用のスペシャルカスタマイズを考える余裕も出ていると思います。友人にPC自作のアドバイスなんかもしているかもしれませんね。
その時を楽しみにしつつ、高性能PCでゲーム機とはまた違うゲームの世界を思う存分堪能してください。