住民税の滞納で差し押さえはどのように起こるのか?その仕組みと予防するための節税法をまとめました

住民税の滞納で、家や財産が差し押さえられたといった話を誰でも一度くらい聞いたことがあるのではないでしょうか?

家財の差し押さえは、想像するだけでも身の毛がよだつほど恐ろしいことで、自分は大丈夫だろうかと不安になりがちです。

ところが、住民税を滞納することで、家財が差し押さえられるということを想像できる人は多いものの、どのようなプロセスを経てそれが実行されるのか知らない人が案外多いのが実情。

そこで、ここではいたずらに差し押さえの恐怖にさらされないよう、住民税の滞納から家財の差し押さえまでがどのような経緯で行われるのか、また住民税を滞納しないように課税所得を抑える方法がないか紹介していきます。

教育、勤労と並んで国民の義務とされる納税。

生活に密接することでもあるので、ここでしっかりと覚えてしまいましょう。

住民税の滞納による差し押さえはどのように発生するか?

住民税の滞納による差し押さえはどのように発生するか?
住民税の滞納によって家財が差し押さえられるという話は、先にも書いた通り、多くの人が知っています。

しかし、ほとんどの人は、そもそも滞納から差し押さえまでの処分がどのようなプロセスで行われるのか知らないことでしょう。

それもそのはず。

通常、会社員であれば、国民健康保険料が社会保険料として給与から天引きされるのと同様に、納税も特別徴収という形で給与からの天引きされるため、副業でよほど稼ぐといった特殊な事情がなければ、そもそも滞納という状況が発生しません。

また、多くの人が差し押さえという処分があることを知っており、そのことに対して不安や恐怖を感じています。

だから、実際にそこまで至る人というのはそう多くなく、そのせいもあって直接的な情報得る機会が少ないことでしょう。

加えて、差し押さえを経験した人は、表立ってそのことについて話す機会がそうそうないですし、あまり周囲の人に吹聴したい内容でもないことから、よけいに知る機会がありません。

その結果、差し押さえに関して、詳しく知っているという人は少ない傾向があるのです。

住民税の滞納の判断基準は何か

ところで、先程から滞納によってと書いていますが、そもそも住民税の滞納とはどのような状態をいうのか知っていますか?

多くの人にとって滞納とは、支払っていない状態が一定期間続いていることが想像されることでしょう。

しかし、地方自治体などの行政が、法令に基づいて滞納処分を行う場合の滞納とは、若干ですがニュアンスが異なります。

具体的にいえば、住民税の滞納とは、支払期日を1日でも過ぎた状態のこと。

つまり、納税通知書や納付書に書かれた期日までに指定された金額を納めずに、1日でもその支払いが遅れれば、その時点で滞納した状態になってしまいます。

そのため、たとえば支払えるだけの余力があり、支払う意思も持っていながら、何らかの事情で支払いができずにいたという場合であっても、期日を過ぎてしまえば、その時点で滞納したということになってしまうのです。

詳しくは後述しますが、住民税については、地方税法に基づいた徴収緩和措置がありますので、困ったときには住民票のある自治体の税務課に相談に行くことをお勧めします。

住民税を滞納した場合差し押さえまでの過程はどうなるか

それでは、実際に住民税を滞納した場合、どのような過程で差し押さえの処分を受けるに至るのか、そのプロセスを見ていきます。

これらの処分にかかる日程は、自治体によって多少変わってくるため、目安として何日というのは自治体に確認するのが好ましいといえるでしょう。

基本的に、滞納から差し押さえまでに要するプロセスは、以下の通りです。

  1. 督促などによる催告
  2. 最終催告書などによる予告
  3. 財産調査
  4. 差し押さえの実行
  5. 登記や通知
  6. 公売

ここからは、これらについて詳しく見ていきましょう。

なお、滞納し続ければいずれ時効で消えるのではないかと考える人もいますが、督促状などによって定期的な催告が行われることもあり、それは期待できません。

督促状によって催告される

ここからは実際に滞納した前提で解説していきます。

滞納した場合、督促状が自宅に届けられ、それによって督促内容を知ることになるでしょう。

これについては、地方税法第329条において、納期限後20日以内に出すということが決められています。
(参考:地方税法 - houko.com

また、同法331条を確認すると、督促が出された日から10日後までに、納めるべき市町村民税に関する地方団体の徴収金を完納しない場合には、財産の差押えをしなければならないと書かれていることが分かるでしょう

つまり、督促を受けた時点で、差し押さえまでのタイムリミットは10日程度だということ。

この期日を短いと感じるか、余裕があると感じるかは人によって分かれるところでしょう。

ただ、現実問題として10日後すぐに差し押さえにまで発展するケースはあまり多くないというのが実情であり、ほとんどのケースでは、このあとに更なる催告や最終催告が行われるという推移をたどることになります。

最終催告書や差し押さえ予告書が届く

一度目の督促状や催告状による催告が行われても納付がない場合、その後も役所によって何度か同様の書類による催告や電話による催告などが行われます。

それでも納付がない場合、最終催告書または差押予告書といった内容で、書面が届くことでしょう。

こうなるといつ差し押さえが発生してもおかしくない状態です。

財産調査によって差し押さえ財産を調べる

差し押さえが決まっていく中で、差し押さえを行うにあたり、滞納者の身辺調査や差し押さえを行うための財産調査が行われます。

身辺調査

身辺調査の内容としては、以下の内容があげられます。

  • 住民票取得
  • 勤務先調査
  • 所得調査
  • 戸籍調査
  • 家族構成の調査

この目的は、あくまで滞納されている徴収金の納付にあてる財産がないかを調べることにあるため、本人のプライバシーを侵害するようなことはそうそう行われません。

財産調査

財産調査として行われることとしては、以下の内容があげられます。

  • 不動産謄本入手
  • 自動車有無の確認
  • 銀行口座調査
  • 生命保険加入有無の確認
  • 不動産関係の確認
  • 給料、報酬など

これらについて確認するのは、実際に滞納金の返納にあてる財産の状況を調べるためです。

そのため、差し押さえができる不動産の有無や不動産を賃借している場合の敷金や入居保証金の有無、銀行口座に記録された各種取引履歴など、財産に関する多くのことが調査されます。

個人事業主の場合は、取引先に対する債権の有無を調べられることもあるかもしれません。

財産調査は、国税徴収法141条に基づいて実施されることから、一定程度個人情報保護法に対する抵触を免れるため、個人情報だから調べられないということはありません。

差し押さえの実行と捜査

調査を踏まえて、差押さえ予告が行われた後、現実に差押さえが実行。

このとき、場合によっては、自宅や何らかの事業を営んでいる人であれば事務所などに強制捜査が入ることもあります。

差し押さえの対象として、不動産だけでなく、他人に対して所有している何らかの債権や給料などの報酬も含まれ、また家財などの動産も対象になるのはよく知られている通りです。

登記と通知が行われる

差し押さえが行われた後、差し押さえた財産に対して差押登記などが行われると同時に抵当権者など一部利害関係者に差押通知書が送付されます。

また、給与を差し押さえる場合は勤務先に対して通知が行われ、預金が差し押さえられた場合は金融機関に対して差押通知書が送付。

これらの通知を以て、差し押さえが完了します。

最後に公売が行われる

差し押さえが完了した後、滞納した徴収金の納付が完納されない場合、地方公共団体によってインターネットや入札を利用した公売が実施されます。

債権に関しては取り立てが行われ、それらによって換価された金額が未納金に充当。

これにて差し押さえによる滞納金の解消が完了することになるのです。

住民税の滞納で差し押さえられないものはあるか

住民税の滞納で差し押さえられないものはあるか
強制徴収という形で、半ば強制的に自分の資産や財産、家財などが取られてしまうことを考えると、差し押さえは非常に恐ろしいことだと思うことでしょう。

中には、差し押さえされた場合、その後の生活が築けなくなり、絶望するしかないと考える人もいるかもしれません。

結論からいえば、差し押さえを受けることによって、生活ができなくなるということはないといえます。

それはなぜか?

法律上、差し押さえを行うにあたり、差し押さえることができないものが決まっているからです。

法律によって差し押さえできるものとできないものが決まっている

そもそもの話、差し押さえに関しては、差し押さえられるものと差し押さえができないものが、あらかじめしっかりと決められています。

たとえば、差し押さえられるものとしては、以下のものがあげられます。

  • 給与
  • 預金、現金
  • テレビや家具といった動産
  • 自宅や土地など不動産
  • 自動車
  • その他換金が可能なもの

これらには、実のところ優先順位がついており、給料や預金口座の中にある預金残高など、お金の優先度が高くなっています。

ドラマや小説などのイメージが先行して、差し押さえといえば、家や土地、家財道具などが真っ先に思いつくかもしれませんが、それらは現実では優先度が高くありません。

なぜならば、家などは公売などによらなければ現金化することができず、差し押さえたところで、すぐには住民税に充当できないからです。

差し押さえられないものは何か?

反対に差し押さえられないものはどのようなものでしょうか。

簡単にいえば、生活や営業になくてはならないものは差し押さえることができません。

たとえば衣服や台所用具、3ヶ月分の食料や燃料、収入を得るために必要となるものがあげられます。

収入を得るために必要なものというのは、漁業を営んでいる人にとっての船といったように、自営業者などがその事業を行うにあたり、必要不可欠なものを指します。

また、差し押さえは一身専属的な処分であるため、家族名義の財産など、本人名義でない財産も差し押さえの対象にはできません。

なお、差し押さえの対象として給料などをあげましたが、実は給料の差し押さえには上限が定められており、手取り額の4分の1までの金額しか差し押さえできないと決まっています。

ただし、手取り額が33万円を超えている場合、超えている分については、全額差し押さえられるため、どれだけ給料をもらっていても、手取り額の4分の1の金額に収まるというわけではありません。

この差し押さえは、住民税として請求した金額の全てが回収されるまで続きます。

ちなみに、給料には差し押さえの制限が課せられていますが、預貯金などにはその制限がないため、全額差し押さえられますので、注意してください。

この説明から分かる通り、差押さえが現実に行われたからといって、生活費まで取られ、公共料金の支払いもできず、まともな生活ができなくなるといったことはありませんし、生活保護を受ける必要性に迫られるほど困窮するようになることもありません。

ただし、既にローンや借金の返済などを抱えている人にとっては、間違いなく苦しくなることから、可能な限り差押さえが発生しないよう、税金の支払いを優先するような計画性は必要になるといえます。

住民税の滞納で差し押さえられた場合の対処法

住民税の滞納で差し押さえられた場合の対処法
では、実際に差し押さえを受けた場合、どのような対処方法が取れるでしょうか?

一度差し押さえられたら、手放すしかないと思いがちです。

確かに、一度差し押さえられたものを取り戻すのは容易とはいえません。

しかし、全く方法がないというわけでもありませんので、ここでしっかりと対処方法を知っておきましょう。

差し押さえ解除の要件は法律が示している

差し押さえが決定した時点で、たとえば預金を他の口座に移したり、差し押さえを回避する目的で嘘をついたりすることは、強制執行妨害という罪に問われるため、絶対にしてはいけません。

差し押さえを受けた場合、誰もが差し押さえを解除することを考えることでしょう。

差し押さえを現実に受けた状態で、それを回避しようとして何らかの工作を行うことは、前述したように強制執行妨害になるためやってはいけませんが、その差し押さえを解除するための行動はむしろすべきです。

差し押さえの解除には、大きく分けて二つの決まりがあります。

  • 差し押さえを解除しなければならない場合
  • 差し押さえを解除しても良い場合

この二つです。

差押さえの解除について、弁護士に相談すればどうにかなると考える人もいますが、弁護士であってもこれらの法律を元に対処するしかないため、万能とはいえないことには注意しましょう。

ここからは、差押さえ解除の要件として定められているこの二点について説明します。

差し押さえを解除しなければならない場合

差し押さえを解除するためにできる最も簡単な方法は、滞納した税金の支払いを完了させることです。

国税徴収基本通達第5章第7款第79条関係の記載によれば、差押えを解除しなければならない場合として、以下の内容が記されています。

  • 納付
  • 充当
  • 更生の取り消し
  • その他の理由
  • 差押えに係る滞納処分費
  • 金銭的価値が失われたとき

この中の納付について記されている内容によれば、第三者による納付も含め、納付が認められた場合、差押えは解除しなければならないとのこと。

その他、納付すべき住民税が充当された場合、賦課処分が取り消された場合、法律の規定変更などによって差押えの原因となった国税が全額消滅したとき、差押財産の価額が滞納処分にかかる費用や他の国税などの債権の金額を超える見込みがないときなどが決められています。

この差押え財産の価額が、滞納した金額を超える見込みのない場合ですが、たとえば不動産を差押えた後で、その不動産にかかっている抵当権などが優先されることが判明した場合などがあげられます。

抵当権が優先されることで、差し押さえたところで、滞納された税金の回収が見込めない以上、差し押さえたところで仕方ないというわけです。

以上のことを簡単にまとめると、支払いがしっかりとされたり、差押えに関する処分などが取り消されたり、何らかの事情で、納付すべき国税が消えたり、そもそも差し押さえをしたところで、その金額で充当が見込めなかったりする場合は、差押えを解除しなければならないということになります。

そのため、市役所の担当窓口に行き、分割してでも延滞金含め納付をすることが肝要といえるでしょう。

差し押さえを解除してもよい場合

差押えの解除については、先述した解除しなければならない場合の他に、解除しても良いとされる場合も決められています。

このケースとして決められているのは以下の通り。

  • その他の理由
  • 差押超過による解除
  • 適当な財産提供による解除
  • 入札の不在
  • その他の事情
  • 売却見込みがないとき

ここでは、差押えの原因になった未納状況が一部改善した場合や、差押えた財産の価額が滞納額を著しく超える場合、他の財産を提供した場合、入札をかけても誰も落札しなかった場合などがあげられています。

このように、差押えが行われれば、その時点でもう打つ手がないかのように思われがちですが、実は法律で決められている内容をしっかりと読むと、差押え後も特定の手段によって解除させることが可能だということが分かります。

どの方法も決して簡単な方法とはいえませんが、それでもどうすることもできないというわけではありません。

住民税を滞納しないために取るべき対処法

住民税を滞納しないために取るべき対処法
差し押さえについては、ここまでである程度理解できたことでしょう。

中には思っていたよりも現実の差し押さえは厳しいものではないと感じた人もいるかもしれません。

しかし、納税が義務であり、その不履行によってもたらされる差し押さえは、やはり好ましいとはいえないでしょう。

何より、給与の差し押さえや預金の差し押さえは、勤務先や銀行に対して連絡が行われることから、その時点において社会的信用を落とすことになってしまいます。

それによって将来に渡り受ける損失は、金額以上に大きなものだといわざるを得ません。

そのため、やはり差し押さえされないように、税金の支払いを滞納しないことが肝要です。

とはいえ、中にはどうしても税金の支払いを期限までに行うことができないという人や、そういった状況が発生してしまうという人もいるでしょう。

ここからは、そういった人のために、滞納を可能な限り避けるために知っておきたい措置について紹介します。

猶予措置がある

年金同様、税金は納付期限までに納めなければならないものですが、それが難しいという人のために猶予措置が用意されていないわけではありません。

これは、国税徴収法などの法律によって定められていることで、それに基づいて、自治体がそれぞれ窓口を用意しています。

そのため、万が一納税がどうしても間に合いそうもない場合、まずは自分が住んでいる自治体の税務課に相談に行くのが良いといえるでしょう。

猶予措置にはそれぞれ条件が定められていることから、必ずしも猶予してもらえるわけではありませんが、場合によっては徴収緩和と呼ばれる猶予などを受けることが可能です。

徴収猶予

徴収緩和措置の一つで、災害や盗難、病気といった特定の事情がある場合に、1年以内の期間に限って、徴収が猶予されるというものです。

仮に、これが決定された時点において差し押さえられたものがある場合、その差し押さえが解除されます。

ただし、この猶予が認められるのは、前述したように災害などによって大きな損失を受けた場合など一部の場合に限られるため、申請すれば必ず猶予がもらえるというものではありません。

換価猶予

市町村民税などの税を一時に納付することで、営んでいる事業を継続することや自身の生活の維持が困難になる可能性があるとき、税務署などの職員による職権や申請によって、1年以内に限って換価の猶予が認められるというもの。

換価の猶予とは、差し押さえられた動産や不動産をお金に換えることについて猶予が与えられるということです。

なお、1年が経ってもやむを得ない理由で納付が厳しい場合、税務署署長の判断で、さらに1年間猶予期間を延長することができるとされています。

停止措置もある

滞納処分の停止として、差し押さえなどの強制徴収を停止させることも可能です。

これは、換価猶予同様、担当職員などの職権によって行われます。

どのような場合にこれが認められるかというと、たとえば震災によって財産を喪失することや滞納処分を執行するような財産が他にないといった一定の場合です。

なお、この停止が3年間続いた場合、延滞税を含め、納税する義務は消滅するとされています。

場合によっては減免措置も

上記の猶予措置などが適用された場合、滞納によって発生する延滞税が免除されます。

  • 納税の猶予が適用された場合は、延滞税の全てが免除
  • 換価の猶予が行われた場合は、猶予された期間中の延滞税の一部が免除

このように適用された措置に応じて、減免額は変わってきます。

差し押さえを回避!支払う住民税を抑えるために簡単にできる方法

差し押さえを回避!支払う住民税を抑えるために簡単にできる方法
身も蓋もない話になってしまいますが、住民税の滞納による差し押さえを回避するには、住民税を納付期限内に納付するのが最も単純な方法となります。

払えないから困っているという人も昨今の日本では少なくないかもしれませんが、住民税として支払うことが要求される金額は、概ね課税所得の10%程度であり、決して少ない金額でないものの、余程の出費をしていなければ支払うのが厳しい金額といえません。

そうはいっても、1年間における平均給与が420万円と言われる日本において、単純計算年間42万円もの住民税を支払うのが辛いというのは一定の事実といえます。

そこで、ここからは、住民税の負担を抑えるために、「個人事業主」と「会社員」に分けて、簡単にできる節税方法を紹介しましょう。

個人事業主の場合

みなさんが個人事業主である場合、課税所得を減らすために最も簡単で効果が大きい方法は、青色申告をすることです。

青色申告を活用する

青色申告事業者となれば、規定の書類をしっかりと作成することで、年間最大65万円の税控除が受けられますし、書類を作成しなくても10万円の控除を受けることが可能になります。
(参考:青色申告制度 - 国税庁

基礎控除として38万円が控除されるため、合わせて最大103万円が控除されるようになるため、住民税を抑える上で、これほど効果のある節税方法は中々ないといえるでしょう。

青色申告事業者となるための手続きは特別面倒なことがなく、ただ書類を作成して、税務署に提出するだけなので、節税のために大きな負担を負うということもありません。

また、青色申告事業者となるための方法や必要な書類の書き方などは、税務署にいけば無料で新設に教えてもらえますので、もし自分が事業主であるのであれば、これを使わない手はないといえるでしょう。

ただし、最高65万円の控除を受けるにあたっては、複式簿記によって記帳された、各種台帳を元に作成した貸借対照表や損益計算書といった財務諸表などの各種帳簿を確定申告時に提出する必要があるので、注意が必要です。

これらの書類の作成は、これまで面倒な記帳作業や専門的知識が必要でしたが、昨今はfreeeやMFクラウドといったクラウド会計などが安価で利用できるため、それほど負担は必要ありません。

会社員の場合

一般的に事業者と比較して節税が行いにくいとされる会社員の場合、青色申告が利用できるわけではないため、会社員ならではの節税方法を活用する必要があります。

簡単にできる方法としては、「特定支出控除」の活用や「ふるさと納税」の活用があげられます。

特定支出控除を活用する

個人事業主と会社員の大きな違いに経費の出しやすさがあるというのは、今や多くの人が知っている通りです。

しかし、会社員だからといって経費を計上できないわけではありません。

給与所得者である会社員にも、特定支出控除として、特定のものについては、その支出を経費として計上することが認められています。
(参考:給与所得者の特定支出控除 - 国税庁

認められているものとしては、主に以下のものが指定されているので、確認してください。

  • 通勤費
  • 転勤に伴う転居費
  • 職務上必要な技術や知識を得る目的で使われた研修費
  • 職務上必要となる資格取得に費やした資格取得費
  • 単身赴任などの場合に使われる帰宅旅費
  • 図書費、衣服費、交際費など

実は、会社員にもこれだけの費目が、経費として計上できる費用として認められているのです。

ただし、個人事業主との違いとして大きいのは、これらを経費として計上するには、給与支払者が証明することが求められるということ。

つまり、いくらこれに適用される出費をしたところで、会社側が証明してくれないことには、特定支出控除の対象としては認められません。

また、交通費など何らかの手当として支給され、それに対して所得税が課税されていない場合は、特定支出控除の対象から外れます。

以上のことから、特定支出控除を実際に確定申告時に出すにあたっては、以下のポイントを押さえる必要があるといえるでしょう。

  • 特定支出控除の対象になる支出について、領収証などを保管しておく
  • 給与支払者に特定支出として証明をもらう
  • 給与支払者に特定支出の対象になる支出に対して所得税が課税されていないものがあるか確認を取る

事業主と違い、自主的に申告することが難しいのが難点ですが、これらの支出は少なからず会社員である人が支出しているものには違いありませんので、可能な限り申告することで、所得税を減らすことに役立てられるでしょう。

ふるさと納税を活用する

昨今、地方自治体などによって広く利活用されているふるさと納税。

会社員にとっては、節税のために最も使いやすいものといえるかもしれません。

ふるさと納税は、都道府県や市区町村に寄附を行うもので、寄附金の一部を所得税や住民税の控除の対象にすることが可能。

控除される金額は、2000円を超える金額の全てであり、収入や家族構成によってその上限が決まっています。
(参考:ふるさと納税ポータルサイト - 総務省

総務省のホームページを確認すると、目安として、年収300万円の人がふるさと納税を行った場合、独身または共働き世帯で、最大28000円を控除できることが分かるでしょう。

ふるさと納税による寄附控除を受けるためには、いくらか手続きが必要になります。

  1. ホームページなどを通じてふるさと納税を行う
  2. 納税先の自治体から証明書や受領書をもらう
  3. 確定申告時に受領書を添付して申告する
  4. 控除を受ける

ふるさと納税にはワンストップ特例制度というものがあり、確定申告が不要になる給与所得者などの人が、ふるさと納税先として寄附を行う自治体の数が5団体以下の場合に限って、その各団体に特定の申請を行えば確定申告が不要になる制度もあります。
(参考:ふるさと納税ポータルサイト - 総務省

なお、この制度を利用する場合、ふるさと納税を行う際に、納税先に対してワンストップ特例申請書の提出が必要になるので、忘れないように注意してください。

ふるさと納税を活用して節税するメリットとは何か

ふるさと納税を利用して節税するメリットは、ふるさと納税を行う先の自治体によって、寄附金額に応じて何らかの特典を用意しているケースがあり、それをもらいながら節税までできるという点があげられます。

たとえば、5000円の寄附を行ったとして、2000円を除いた3000円分の控除が受けられることになるのですが、このとき特典として3000円相当の特産品がもらえれば、実質6000円分のメリットを受けたことになり、単純計算1000円得したことになるでしょう。

多くの自治体は、農産物や海産物といった特典を用意しており、寄附することで食費の節約につなげられることも珍しくありません。

それでいて節税にもつながるため、ふるさと納税は多くの人にとって魅力的な節税方法として愛用されるに至ったわけです。

住民税を滞納しないための計画的なやりくりをして差し押さえを回避しよう!

差し押さえというのは、給与や家財を失ってしまうだけでなく、信用まで失うことでその後の人生を暗くしてしまう、避けなければならないものです。

しかし、人にはそれぞれ事情があり、どうしても納期限までに納税することができないという人もいることでしょう。

ここまで書いた通り、そういった場合における対処方法はしっかり用意されています。

しかし、何よりもそうならないために課税額を減らす節税方法を駆使しつつ、滞納自体を回避する方法を模索すべきです。

また、一括納付が厳しいときは分割納付を行うなど、とにかくいくらかでも払うことが重要。

そのために、収入と支出を計画的に調整し、できる節税方法を試していくことで、滞納とは無縁の差し押さえに恐怖しない生活を築きあげましょう。