2017年に国内外で「億り人」と呼ばれる数多くの億万長者を誕生させた仮想通貨。
その勢いはとどまるところを知らず、2018年初頭からも多く人々の資産を増やしています。
しかし、その一方で仮想通貨は未だに「怪しい」「危険だ」といわれることも少なくなく、国際的にも厳しい意見を浴びせられる場面も珍しくありません。
そのせいもあり、「やれば儲かる」と言われても未だに及び腰になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは仮想通貨が危険だといわれる理由や原因などに焦点を当て、その上で危険性を少なくするための方法がないかを探っていきます。
仮想通貨に興味はあるけど、危険だといわれるのでまだ手が出せていないという人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
仮想通貨が危険といわれる理由は何か?
仮想通貨が危険といわれる理由は、その多くが新しい技術であるために、まだ理解が進んでいないことによるものが多いといえます。
とくに日本人の場合、もともと投資などに対するネガティブな印象が強い。
加えて、マスコミやメディアは新しいものに対しては負の面ばかりを取り上げる傾向が強いです。
結果的にそれらがあいまって、仮想通貨も実態以上に危険なものであるかのような印象を受けるものになってしまっています。
たとえば見ず知らずの人がどこか危険な存在に思えるように、仮想通貨も未知のものだから危険で恐ろしいものだと感じるということ。
「大きなリターンを得るには、大きなリスクを負う必要がある」
これは投資や投機における鉄則ですが、仮想通貨についてはここでいわれるリスクとは性質の異なる危険性が、第三者によって印象づけられているといえるでしょう。
確かに仮想通貨には危険な面もあります。
しかし、その危険な面というのは、マスコミやメディアがはやし立てるほどのものではありません。
自分で回避しようと思えばある程度回避できるものが多く、マスコミやメディアが印象づけるような、持っているだけで破産するかもしれない危険があるなんてことは、ほとんどないといえます。
もちろん、経営破綻したマウントゴックス事件のような、投資家の努力では避けようのないトラブルもありますが、そういったものを極力なくすための環境整備は積極的に進められているといえるでしょう。
また、仮想通貨は法律上存在が認められているものであり、所持することが違法なものでもありません。
ここから、仮想通貨が危険といわれる主な要因を3点紹介します。
これらについては、仮想通貨が持っている現実的な危険性であり、仮想通貨を運用する上では知っておきたいこと。
ただ、一つだけ誤解して欲しくないのは、これらの危険も全く対処する術がないような危険といえるものとは言いにくいという点です。
つまり、未知だから危険に感じるのであって、知れば「なんだ」と感じる程度の危険でしかありません。
仮想通貨は値幅が大きい
恐らく仮想通貨が危険だと言われる要因の一つがボラティリティ(値の変動幅)の大きさです。
このボラティリティの高さこそが仮想通貨の人気の源泉にもなっているのですが、これを知らずに初心者などが不用意に参入すれば、あまりの値動きの大きさにさらされ、あっという間資産を溶かしてしまうことにもなりかねません。
そして、そういう可能性があるからこそ、危険視されるのです。
そうはいっても、本来ならば投資や投機において、急騰や暴落はどうしたところでつきもの。
株にしても、FX(外国為替保証金取引)にしても、不動産や先物、債権ありとあらゆる金融商品にも急騰や暴騰はありえます。
そういった中で、なぜ仮想通貨ばかりがこれだけ危険とされるのか。
この点は不思議に感じるかもしれません。
株やFXとは比較にならないほど急騰する可能性もあるが、暴落する可能性も少なくない
仮想通貨の中でも代表的な存在として知られることになったビットコイン(BTC)。
その価格は2017年初頭から年末にかけて20倍にもなったといわれています。
(参考:https://mainichi.jp/articles/20180106/ddm/003/020/024000c)
つまり、1年かけてそれだけ急騰したといえるのですが、その一方で年末に見られたように1日で30%近く急落するという動きもありました。
ビットコインの価格は、現状日本円にして100万円から200万円の間を推移しており、たとえば200万円から30%下落したとすれば、60万円もの損失が発生したことになります。
これがたった1日で起こるのが仮想通貨。
それも、あくまでこれはビットコインの単価に値するわけですから、投資家にとってはまさに悪夢ともいえるような下落幅です。
多くの人は、ビットコインを1単位未満の単位で所有しているため、これほどの損失を出すということは少ないといえますが、それでもたった1日でこれだけの値動きがあるとなれば、専業で常に値動きを追えない人にとっては、常に気が気ではないことでしょう。
本来投資とは自分の持っている資産を増やす目的で行う行為ですから、このように短い時間で多額の資産を失う可能性がある仮想通貨が、非常に危険なものだとされるのは、ある程度頷けます。
ちなみに、資産を失う可能性という面では、仮想通貨はバブルであり、数百年前に多くの人々の資産を溶かしたチューリップバブルの再来という話題もありました。
仮想通貨がバブルであるという話は、ビットコインの価格が上昇し始めてからずっと言い続けられていることですが、バブルは弾けて初めて認識されることから、現段階では断言することができません。
一つ確実なことは、ビットコインを筆頭に仮想通貨が多くの人の資産を膨らませた事実があるということであり、そのこと自体はバブルであろうとなかろうと関係ないということです。
仮想通貨はセキュリティの問題を抱えている
仮想通貨が抱える危険性は、値動きだけではありません。
仮想通貨は、現金と異なり、その全てが電子的な情報によって形作られ、電子的な情報のまま管理、運用されています。
いわゆるブロックチェーン技術を背景とした取引情報が記録される、電子情報処理組織を利用した移転が可能な財産的価値を持つ媒体だからです。
本来、仮想通貨ではなく暗号通貨という名称であるのも、それに由来しています。
(この記事では社会情勢を鑑みて、便宜上「仮想通貨」と表現しています)
そのため仮想通貨は、電子的な情報の管理・運用にまつわるあらゆる危険にさらされることになるため、通常のお金や金融資産、金融商品などと全く同じように考えて管理・運用していると何かの拍子に全て失ってしまいかねないという危険があるのです。
この電子的な情報に関する危険性としては、大きく分けて3点があげられます。
- 盗難リスク
- 紛失リスク
- アクセス不能リスク
次からは、この3点について解説しましょう。
現金と違う盗まれ方をする
2017年12月初頭のスロベニアにおいて、およそ70億円に値する仮想通貨が盗まれたことが話題になりました。
これは、仮想通貨を管理するシステムに対してハッキングが行われたことによって発生したもので、その後事件として捜査が行われています。
このように、デジタル通貨である仮想通貨は、ハッキングなどによって盗まれる危険性があり、常にセキュリティ対策に力を入れなければ大きな損失が生まれる可能性がつきまっているのです。
紛失するリスクがある
仮想通貨は、現状金融資としての定義が完全でないため、その扱いには議論がつきません。
たとえば、口座に紐付いた現預金や有価証券などであれば、所有者が死亡したとしても何らかの形でその存在を認識し、所有者の移転を行うことが可能ですが、仮想通貨はそうとも言い切れません。
そのまま存在しなかったものとして紛失してしまう可能性も高くなっています。
そもそも、仮想通貨はほぼ完全に個人の管理に任されているのが現状であり、所有している通貨へのアクセスは、所有者以外が行えない可能性が高くなっているといえるでしょう。
これは、セキュリティの観点からいえば非常に素晴らしいことに違いありませんが、最悪の場合、所有者の記憶の欠落を理由として失ってしまうという、保存における大きな抜け穴があることも意味しています。
通常の現預金や有価証券であれば、保存や管理はある程度業者がその責を負っているため、買った後で放置し、その存在を忘れたとしても、その所有者に情報が紐付けられていることもあり、公正な手続きを踏めば、しっかりと引き落とすことができるでしょう。
しかし、仮想通貨の場合は保存や管理の主体も所有者に一任されることから、所有者が何らかの形で仮想通貨を保存している先にアクセスできなくなった場合、それまでです。
つまり、このような形で、所有しているにもかかわらず、事実上紛失してしまうという危険性があります。
これは、仮想通貨独特のリスクとして知っておくべきことでしょう。
パスワード管理のミスで使えなくなる
先ほどの話にもかかわりますが、仮想通貨は、本来暗号通貨と呼ばれていることからも分かる通り、その管理は暗号(パスワード)など秘密鍵によって行われます。
パスワードが強固であればあるほど、セキュリティは高まり、盗難やデータ改ざんといった大きなリスクを回避できるようになるでしょう。
反面、仮想通貨の保存や管理はパスワードに依存しているといえ、パスワードを忘れたり、なくしたりしてしまえば、所有している仮想通貨がいくら価値を持とうとも使えなくなってしまいます。
つまり、パスワードが分からなくなっただけで、全てが水の泡になりかねません。
これは自己責任でもありますが、そのような仕組みになっている都合上、大きなリスクともいえるでしょう。
仮想通貨に詐欺の話が多い
仮想通貨に限った話でもありませんが、世の中に何かしら新しい概念が現れたとき、その多くは詐欺師によって詐欺の材料にされてしまいがちです。
なぜこのようなことが起こるかといえば、新しい概念は通常一部の人しか理解できないため。
多くの人は、それが何か分からないので、何かしら説得力のある説明が加えられれば、それはきっと正しいものに違いないと思いこんでしまうものです。
たとえば「芸能人の誰それもやっている世界でも最先端の投資方法で、買ってただ置いておくだけで価値が数十倍にもなる。実際に何とかコインは最初1円くらいだったものが今だと1000円にまで価値が上がっている」という説明をされたとしましょう。
このとき、たいていの人は芸能人の誰それがやっていると言われただけで、ある程度信頼性があると錯覚します。
仮にその人が流行に敏感な人なら、余計に強く信じることでしょう。
それに加えて、現実に待っているだけで価値が上がったというデータを見せられれば、世の中が不景気なこともあり、多くの人は一層強く信じるはずです。
そうして実際に仮想通貨をめぐる多くの詐欺が行われたことは、報道が示す通りです。
とくに昨今の仮想通貨の情勢は、アルトコインまたは草コインといわれる現在メジャーではないコインの中から、次に価値が急上昇するものを探す傾向が高まっています。
これは、ビットコインやイーサリウム(ETH)、リップル(XRP)といった主要なコインの多くが既にある程度価値が上がってしまい、今後の急騰が望みにくくなっているため。
主要な仮想通貨の中には、専門家によって銀行間の送金を高速化するための技術開発や手数料の削減に関する研究開発が行われているものもあり、それに関するポジティヴな話題が出たときに急騰するということもありますが、元々の価格が高くなったことで利幅が薄くなってしまっています。
投資の鉄則は、「安く買って高く売る」というものであり、既に高くなったものを買ってもハイリターンが望めず、大きな魅力はないというわけです。
そういうこともあり、「まだ注目されてはいないけど、将来必ず価値が大きく上がる」という売り文句で詐欺が横行するようになっています。
仮想通貨は、まだまだ世間に広く普及しているとはいえないこともあり、今後も仮想通貨をめぐる詐欺は増えることでしょう。
そのため、仮想通貨のうまい話には詐欺の可能性が高いというリスクがあることを知っておいた方が良いといえます。
仮想通貨の危険への対処法としてカンタンできる3つのこと
ここまで仮想通貨が持つ危険性について説明しましたが、だからといって仮想通貨はただ危険なものだと思ってはいけません。
それぞれの危険性はある程度対処することが可能であり、だからこそ多くの人が参入し、多くの資産を形成しているのです。
危険だからといって諦めてしまっては、築ける資産も築くことができません。
ぜひここで簡単にできる最低限の対処方法を覚えてしまいましょう。
値幅に振り回されないために心がけたいこと
仮想通貨投資を行う場合、値動きの大きさは注意したところで避けられません。
そのため、値動きそのものに対処することは実質的に不可能といえるため、相場変動に振り回されない資産運用を行うことが重要になります。
対処方法として最も簡単な方法は、仮想通貨投資を行う資金を余剰資金に限定するという方法。
つまり、最初からなくなってしまっても構わない範囲で投資を行うという方法です。
ただそれだとほとんど使えるお金がなく、投資する旨味もなくなるのではないかと思うかもしれません。
そこで、余剰資金だけで行う投資方法でも資産を増やすのに役立つお金の捻出方法を教えましょう。
自由に使えるお金は先に確保する
自由に使えるお金と聞いて、多くの人は頂いた給料から生活費などの様々な出費や自分の趣味などに使ったお金を引いた残りのお金をイメージすることでしょう。
しかし、当然ながらそれでは自由に使えるお金は微々たるものになってしまいます。
そこでお勧めしたいのが、給料が入ったらその時点で自由に使えるお金を確保する方法。
そのために毎月自分にとって必要となる生活費などの費用はある程度知っておく必要があります。
最近ではマネーフォワードなど簡単に家計簿を作成できるアプリなどがあるので、それを活用すると良いでしょう。
なぜこのような方法を取るかといえば、人間というのは多くの場合お金があると無駄に遣ってしまうからです。
そのため、給料が入った時点でいくらかを先に押さえてしまい、あたかもそのお金がないかのような状況を作り出すことで、強制的に無駄遣いができない状況を作り出すのが効果的。
こうすると、自分がいかに無駄遣いをしていたのかが分かるだけでなく、自然と自由に使えるお金が増えるため、投資に回せる金額も多くなることでしょう。
仮想通貨投資は、一般的な投資と異なり、とにかく早めにコインやトークンを購入し、価格が上がるまで待つ(ホールドする・ガチホする)ことが資産を増やすのに手っ取り早い方法です。
ですから、自由に使えるお金をいち早く確保すればするほど、資産家になれる可能性が高くなると考え、このような強制力の高い方法を駆使して、極力無駄遣いを減らす努力が必要といえるでしょう。
セキュリティ対策としてできる簡単なこと
セキュリティについてもある程度対処は可能です。
最も簡単な方法は、仮想通貨の保存にハードウェアウォレットと呼ばれる、USBメモリや外付けハードディスクのようなインターネットに接続せずに保管できる物理デバイスに保管する方法。
仮想通貨は、証券口座などのように特定の口座が用意されるわけでなく、ウォレットと呼ばれるアプリケーションなどに保管する形になるのですが、その保管先をインターネット上あるいはインターネットに接続されている環境にしないことが安全性を高めます。
この方法も完全ではありませんが、少なくとも常にハッキングなどの脅威にさらされるインターネット上に置いておくよりは、外部に置いておいた方が、安全性が高いのは明白です。
日頃から財布に大金を入れておくよりは、金庫などに置いておいた方が外部からの接触が少なくなり、盗まれる危険性がいくらか減るのと似たようなものだと思ってください。
ビットコインウォレットとして信頼性の高いTREZOR
物理デバイスとしての仮想通貨ウォレットといわれてもイメージができない人もいることでしょう。
このウォレットは、ビットコインウォレットのメーカーとして広く知られているTREZOR(トレザー)社によるもので、高度な暗号化と信頼性の高いハードウェアでありながらシンプルなインターフェイスによって使いやすい商品として人気のあるものです。
電源不要で、パソコンに接続するだけで使用でき、TREZOR Password Managerという無償で提供されるアプリケーションを使用することで、パスワード管理デバイスとしての使用もできる非常に便利な一品。
初めてハードウェアウォレットを使用するのであれば、お勧めの商品といえます。
ウォレット以外にできる簡単なセキュリティ対策
ウォレット以外でできる簡単なセキュリティ強化策としては、二段階認証などを用いて、外部からのアクセスを困難にすること。
これは、多くの取引所が採用している方法で、自分のアカウントにアクセスする際に「Google認証システム」などを用いて、通常使用するパスワードに加えて、アプリケーションが示した一時的なパスワードを利用してログインする方法です。
この方法であれば、外部アプリケーションによって示される一時的なパスワードが分からない場合不正侵入が行えなくなることから、仮に通常のパスワードが漏洩しても侵入は困難になり、より安全性が増します。
詐欺に遭わないために知っておきたいこと
詐欺への対処は、仮想通貨に限らず多くの人にとって悩みの種でしょう。
何せ、詐欺の多くは心の隙やこちらの未知を利用して、不正にお金を巻き上げようとします。
常に油断せず行動できる人はいませんし、あらゆることについて詳しく知ることは不可能といえるため、防御しようにも限界があることでしょう。
そのため、自分がいつ被害者になってもおかしくありません。
しかし、仮想通貨詐欺に限っていえば、ある程度防御することが可能な面もあります。
ここではそのために役立つ2つのことについて説明しましょう。
情報を広く集める
人間が全知になることは極めて難しいですが、仮想通貨に関しては詐欺にまつわる情報それ自体が多く出回っているため、そのような情報に絞って情報収集を行うことで、詐欺を防ぐことが可能になります。
そういった行動に対して逆張りして、詐欺対策の情報を使って詐欺を働くようなケースもないとはいえませんが、仮想通貨詐欺の多くは「未公開コイン」や「これから伸びるマイナーなコイン」をダシにして行われることから、情報収集自体が有効な対策であることは間違いありません。
最近では、タレントの木本氏など著名人や各界の専門家などが、大手メディアなどで仮想通貨に触れることも増えたため、ある程度信頼のおける情報収集が初心者でも容易になっています。
もし、あまりの情報の多さに、事前に詐欺にまつわる情報を集めるのが厳しいというのであれば、仮想通貨関係の話題を第三者に振られた際に、その話に出てきた情報をGoogleなどで検索する癖をつけるようにしてください。
仮想通貨について購入を促されたり、特定のグループに入るよう勧誘されたりしたときに、それについて検索しても有効な情報が得られないようであれば、それは怪しいと考え、遠ざけた方が良いでしょう。
対処療法じみた方法で、何となく儲かるチャンスを逃す可能性を感じるかもしれませんが、そもそも仮想通貨にまつわる有効な情報というのは、今や多く出回っていることから、その程度の機会を逃すことは、さほど大きな損失とはいえません。
万が一騙されたときのことを思えば、むしろ得することの方が大きいでしょう。
そのため、普段からなるべく情報を集めることや何か第三者から促されたときにそれについて調べることをしておくというのが、詐欺の被害を受けないためには重要です。
大手の取引所で扱われているかを知っておく
仮想通貨を媒介にした詐欺のほとんどは「これを買えば儲かる」という、古典的な手法が用いられます。
オレオレ詐欺や振り込め詐欺のように、周到な計画や戦略を弄した高度な手法はあまり用いられません。
それは先述したように、多くの人にとって未知のものなので、「うまい話」それだけでも多くの人がはまりやすいからです。
実際問題、これから仮想通貨で大きく儲けようと思えば、アルトコインや草コインと呼ばれるメジャーではない通貨を購入する必要性が高いのは事実。
しかし、だからといってどれでも伸びるというわけではなく、それを探り当てるためには多くの情報を必要とします。
「うまい話」などそうそうありません。
たとえば、うまい話としてクローバーコインが一時期話題になりましたが、その後運営会社などの不祥事が明るみになるにつれて、不可解さが露見するにようになりました。
このような詐欺の場合、多くは存在しない仮想通貨や存在はしているものの詐欺のためだけに作られたダミーコインのようなものが使われることがほとんどです。
つまり、価値が今後高まることはほとんどゼロに等しい。
同様の詐欺に対処する場合、最も簡単な方法は、メジャーな仮想通貨以外には手を出さないということです。
しかし、それでは旨味がないと感じる人も多いのも事実。
そういった人は、せめて国内取引所など仮想通貨の取引所や販売所など販売を行っているところが実際に登録(上場)し、取り扱っている仮想通貨までにしましょう。
これならば、多くの選択肢を担保しつつ、不用意に実在するかどうかも分からないような怪しいだけの仮想通貨を買うことはありません。
未公開通貨の話は慎重に聞く
ここまで伝えた詐欺への対策に通じるものがありますが、詐欺に多く用いられる「未公開通貨」の話に対処するのであれば、やはり慎重に話を聞き、その場では購入の判断をしないという方法が一番確実でしょう。
冷静になって、調べる時間を確保するのです。
- Googleなどで検索して、情報が見当たらない
- 情報を検索した結果、見つけることはできたが背景が不透明
- そもそも取引所が扱っておらず、売買や交換などの取引に使用できない
一度調べて、こういった結果が出るとすれば、それは詐欺である可能性が非常に高いといえるでしょう。
仮想通貨にまつわる詐欺は、今後市場が成長すればするほど数が増えることが見込まれます。
そのため、「仮想通貨に関してはとにかく情報を集める」ということを念頭に、自己防衛を徹底したいところです。
仮想通貨で最も危険だといわれるボラティリティの高さを防ぐたった1つの方法
ここまで、仮想通貨にまつわる危険とその対処法について紹介してきました。
ここからは仮想通貨が抱える危険の中で、最も不安視される相場の不安定さについて、注意すべきことを紹介しましょう。
FXではなく現物での取引を行う
多くの人が誤解していることですが、仮想通貨の値動きがいくら大きかろうと、通常それで破産するということはありません。
これは多くの金融商品にいえることですが、通常であれば購入したものの価値が変動しているだけであり、どれだけ損失が出たところで、購入に際して使用した金額以上の損は生まれないのです。
たとえば100円で買った仮想通貨の価値が0円になったところで、100円を損するだけだと考えれば分かりやすいことでしょう。
仮想通貨投資も結局のところ、他の投資と同じく、買ったときの価格より価値が上がるか下がるかというだけなのです。
だから、通常どれだけ含み損を多く抱えたところで、破産するということはありません。
急落しようと買ったお金以上の損は生まれないといえます。
では、なぜ破産するといったような話が出てくるのか?
多くの場合、その理由として2つのことが考えられます。
- 借金をしてまで購入する
- FX取引のような信用取引をしている
ここからは、仮想通貨投資をよりハイリスクなものにする、これらのポイントについて説明しましょう。
のめりこむのはNG!投資は自分の管理可能な範囲で行う
仮想通貨は何倍にも価値が膨らむ。
このような話題が先行したことで、多くの人がより多くの仮想通貨を購入することが、資産を何倍にも増やす早道だと考えました。
その結果、中には借金をして元手を増やすことで、それを達成しようと考える人も出てきたのです。
ここまで伝えたように、仮想通貨の価格は乱高下するのが常。
必ずしも上がるといえず、上がるときは数十倍、数百倍にも上がりますが、落ちるときも一気に落ちます。
各国の中央銀行の総裁の発言一つで数十%も価格が落ちるほどに、仮想通貨の価格は簡単に落ちるのです。
借金をして元手を増やして購入した仮想通貨が、短期間で大きく価値を跳ね上げることができれば、借金を返して余りある資産を手にできるかもしれませんが、下落してしまえば破産するよりなくなってしまうでしょう。
そういうわけで、この方法で大金をつかんだ人がいたのも一定の事実ですが、失敗して破産した人も現れたことは想像に難くありません。
可能な限り余剰資金で行うことを心がけるべきだと先に書いたのはこのためです。
仮想通貨は、多くの資産家を生み出しましたが、その多くはほとんど運が良かったといえるでしょう。
現状、投機熱に支えられて価格が動いている仮想通貨は、株や為替、投資信託など他の金融商品などと異なり、理論的に将来の価値を予想することが極めて難しいといわざるをえません。
そのため、借金をせず、自分が使えるお金の範囲で、少しずつ所有量を増やしていく。
この方法が危険もなく、それでいて資産を増やす可能性を高めることができる最も簡単な方法なのです。
FXは要注意!現物が最も安全
破産する危険性が高いものとして、最も可能性が高いのはFXです。
ここでいうFXは外国為替ではなく、仮想通貨を利用したもの。
少額でも大きな金額を動かせるようになるレバレッジという仕組みで人気のFXですが、仮想通貨のように1日で数十%の金額が上下するような取引においては、よほど資産に余裕がなければ、破産する要因になりやすいと言わざるとえません。
昨今、仮想通貨を利用したFXも増えつつあります。
しかし、一般的な外国為替取引を利用したFXと異なり、仮想通貨においては少額で大きな金額を動かせるというのは、メリットよりもデメリットの方が大きくなるといえるでしょう。
もちろん、価格が上昇する分には利益となることから喜ばしいのですが、仮想通貨はちょっとしたことで急落するため、それに耐えるためには少額の資金では絶対的に足りません。
潤沢な投資資金と、大きな損失を生じさせてもカバーできる投資予算が必要不可欠。
ロスカットという、一定の値まで下落したときに、強制的に取引を停止させる機能がしっかりと機能すれば、どうにか大きな痛手を受けずに済ませることもできます。
しかし、2017年に取引所が何度もサーバートラブルを起こしたことからも分かるように、ロスカットの動作にも不安が大きいというのが実情です。
そのため、少額から投資ができるという謳い文句を掲げるFXですが、ボラティリティの高い仮想通貨取引においては、少額で利用すると大きなリスクがあることを知っておきましょう。
逆に、現物取引であれば、先述したように購入に要した金額以上の損失は発生しませんので、借金をしてまで購入しない限りは破産の心配もなく、安全に運用することができます。
周囲の成功談に乗せられないようにする
仮想通貨にまつわる話には、危険を煽るものも多いですが、成功談も溢れています。
成功談が参加者を呼び、新たに現れた成功談が、更に参加者を呼ぶという循環が起きているわけですが、冷静に見れば成功者は一握りで、多くの人は失敗か資産は増やせても微々たるものというのが現実です。
もちろん、株やFXと比較してボラティリティが高く、また価値が向上する勢いの方が強いため、これまで投資というものを経験したことのない人でも資産を大きく増やすことのできるチャンスであることに変わりありません。
ボーナスステージとすらいえるでしょう。
しかし、一つ理解しておきたいのは、仮想通貨も市場のルールによって動いている以上、成功者がいれば失敗者もいるということ。
また、誰かの成功体験をなぞったところで、成功するとは限らないということです。
先ほどの借金の話にも通じるものがありますが、たとえば成功した誰かが勧めているからといって、その言葉の通りになるかどうかは時の運でしかありません。
真に受ければ成功するというものでなく、うまく乗せられて借金をしてまでその通りにしても、成功するかどうかは神のみぞ知ることです。
今のような熱狂的な状況になると、誰かが成功しているから自分も成功するに違いないと、ついつい無謀なことを多くの人がしがちですが、この世界に誰もが成功するようなゲームなど存在しません。
誰かが成功するなら、必ず誰かが失敗しています。
それは仮想通貨も同じ。
その成功者は、自分がより成功するために、無知な人々を煽って集めて、成功のための糧にしているだけかもしれません。
広く情報を集め、多くの成功者の成功方法を知ることは重要ですが、最終的に判断するのは自分であることを忘れないようにしましょう。
判断するのは自分であり、使うお金は自分のもの。
ついつい成功者たちの熱狂に乗せられて、借金をしたり、FXで無理な取引をしたりしてしまえば、その先に待っているのは多くの場合破産など取り返しのつかない失敗なのです。
仮想通貨の持つ危険性は、実のところこの熱狂にあるともいえるでしょう。
周囲に流されず、自分の資産をしっかりと守りながら、計画的に投資をしていくということを忘れないようにしてください。
もし、このような周囲の声に惑わされたくないのであれば、Zaifなど一部の取引所で取り扱っている積立投資のようなものを利用して、適度に放置しておくのが良いかもしれません。
危険とされる仮想通貨こそ長期目線で現物中心の取引をするのが一番
仮想通貨はよく危険だといわれていますが、その多くは仮想通貨がまだ新しい概念であり、未知の部分が多いことからきています。
また、ここで知った通り、ボラティリティの大きさがそのまま破産に直結するわけではなく、現物取引であれば損失は使ったお金の範囲に収まります。
もしみなさんがこれから仮想通貨取引を行うことを考えるのであれば、値動きがいくら大きくとも、現物取引ならば痛手は抑えられるということを覚えておきましょう。
そうして、資産が増えてきたら、よりリスクを取った投資手法に切り替えていけば良いのです。
仮想通貨は、久しぶりに訪れた大きなチャンスといえます。
だからこそ、自分ができる範囲で計画的に投資し、しっかりと資産を増やしていきましょう。